“闘魂”広島・大瀬良 復帰戦でガッツポーズ解禁「何かを感じ取ってくれたら」

[ 2020年8月9日 05:30 ]

セ・リーグ   広島2-1阪神 ( 2020年8月8日    マツダ )

広島の大瀬良 (撮影・奥 調)
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 広島・大瀬良大地投手(29)は8日、コンディション不良からの復帰登板となった阪神戦で、7回を5安打1失点に抑え、チーム単独トップに立つ4勝目を挙げた。先発機会を1度回避し、中14日での登板でも見事に好投。エースに引っ張られ、チームはともに今季初となる「1点差勝利」「2カード連続の勝ち越し」で、4位・阪神にゲーム差なしに迫った。

 大瀬良のガッツポーズは、特別である。同点の7回。サンズ、ボーアの連打で無死一、三塁とされた窮地から踏ん張った。梅野を投ゴロにしとめ飛び出した三塁走者・サンズを刺殺。植田には、フルカウントから投じた11球目の外角カットボールがボールと判定され、珍しくマウンド上にしゃがんで悔しがった。

 そして、1死満塁で代打・福留。1ボールから選択したのは、開幕延期期間に完全習得を目指したシュートだった。「ああいうアウトを取りたいと思ってきた中で最高の結果になった」。二ゴロ併殺でこの回を無失点とすると、思い切り右拳を握る今季初のガッツポーズが飛び出した。

 「久々の登板で、たくさんのものを背負って上がった。普段見せないガッツポーズでみんなが何かを感じ取ってくれたらと思った」

 打線が奮起するのは当然かもしれない。直後の7回の攻撃で勝ち越し。失点は、2回に許した大山のソロのみ。7回119球、1失点と耐え続けた粘りは、4勝目となって報われた。

 ガッツポーズは、めったにしないと決めている。「一喜一憂しないため」と昨季は3度だけ。感情を前面に押し出していた入団当初から一転、「真のエース」を目指して感情を封印し始めた。だからこそ、自身のガッツポーズがナインを鼓舞することも知っていた。

 7月24日のDeNA戦で2回降板したコンディション不良からの復帰登板だった。登録抹消された25日も試合前練習に志願で参加し、その後も1軍に同行した。「若い投手とコミュニケーションを取りながら、わがままを言って調整させてもらった」。抹消期間の14日間は、オフ期間でも経験したことのない1週間のノースロー調整、3日連続のブルペン投球、そして禁酒。思いつく最善策を全て試して戻ってきた。

 「ケガは悔しいけど、100%取り組んだ結果。迷惑をかけた分、万全の状態にして戻ろうと思った」

 1点差勝利、2カード連続勝ち越しは今季初。さらに、大瀬良の復帰と、コイがのぼる条件はそろった。 (河合 洋介)

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