楽天・渡辺佳 昇格即V打!ソフトB連破でチーム単独首位浮上に貢献

[ 2020年8月9日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天4―2ソフトバンク ( 2020年8月8日    楽天生命 )

<楽・ソ>2回、適時二塁打を放つ楽天・渡辺佳(撮影・白鳥 佳樹)
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 フレッシュな戦力がチームを加速させた。楽天は8日、ソフトバンク戦で4―2と快勝。今季初めて1軍に昇格した2年目の渡辺佳明内野手(23)が「7番・右翼」で先発出場し、2回に先制二塁打。これが決勝打となった。チームは7月23日以来の単独首位に浮上。ソフトバンクとの6連戦を4勝1敗とし、カード勝ち越しを決める立役者となった。

 渡辺佳は、夏になると思い出す。うだるような暑さの中、汗と泥にまみれて白球を追い掛けた高校時代を。横浜高では監督だった祖父・元智氏から多くのことを学んだ。「諦めない気持ちを高校時代に教わった」。今も大切にする教えを、今季初打席で体現した。

 0―0の2回1死二塁、初球のカーブを左中間に運んだ。今季初昇格し即スタメン。昨季は得点圏打率・393だった。2年目も「得点圏の鬼」は健在で、いきなり勝負強さを発揮した。6回にも左前打。チームを単独首位に浮上させ「まずは積極的に打つこと。そして初球の確実性を上げる。ファームでやってきたことを出せた」と胸を張った。

 2月のキャンプを2軍で迎え、開幕も2軍。FAで加入した鈴木大やドラフト1位・小深田が加わった内野陣の層は厚く、外野の競争も激しい。「ずっと悔しかった。目標を見失いそうになったこともあった」。しかし、同期入団の辰己、太田、小郷が1軍でプレーする姿に刺激をもらった。イースタン・リーグでは24試合で打率・329とアピール。ブラッシュが首痛で離脱したことでチャンスが巡ってきた。

 1軍の試合はテレビでチェックしていた。オフの自主トレで弟子入りした鈴木大の献身的なプレーを参考にした。横浜高の先輩・涌井が5日のソフトバンク戦で9回1死まで無安打無失点投球する姿に胸が熱くなった。「早く1軍で一緒に試合をしたい。後ろで守って打ちたい」とモチベーションが上がった。

 今夏の甲子園は中止になった。代替大会を戦う母校を率いる村田浩明監督は、03年センバツで涌井とバッテリーを組んだ準優勝メンバー。もちろん祖父の教え子だ。「甲子園があってもなくても、思い出に残るように一生懸命やってほしい」と渡辺佳。この日のがむしゃらな姿には、球児たちへの熱いメッセージが込められていた。(重光 晋太郎)

 ≪得点圏打率12球団トップの.304≫楽天はチームとしての得点圏打率で、12球団で唯一3割超えの.304をマークしている。この日も8打数3安打(.375)とハイアベレージ。チャンスに強い打線の一員として、渡辺佳も機能した。

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