広島・坂倉 決勝打は22歳とは思えぬ対応力 今季16安打で過去3年分に並ぶ

[ 2020年8月9日 05:30 ]

セ・リーグ   広島2-1阪神 ( 2020年8月8日    マツダ )

<広・神(7)>7回1死二塁、坂倉は中前適時打を放つ(投手・藤川)(撮影・坂田 高浩)
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 広島・坂倉が“ここ一番”で持ち前の打撃センスと勝負強さを発揮した。緊迫した投手戦にケリをつけた価値ある決勝打。2カード連続の勝ち越しにバットで貢献し、大瀬良と並んだ本拠地でのお立ち台で笑顔がはじけた。

 「1失点に粘り、絶対に勝ちたい試合だったと思うので、大地さんに勝ちを付けられてよかったです」

 同点の7回1死二塁で、羽月の代打に指名された。この好機を逃せば、復帰戦で7回1失点と力投した大瀬良の4勝目は消える。2番手・藤川の直球に差し込まれ、カウント2―2からの5球目だった。外角低めのフォークにうまくバットを合わせて中前へ運んだ。

 「直球に(タイミングを)合わせて(バットが)振れると思ったら振る。2ストライクだったので(ストライクゾーンを)広げていた。よかったです」

 その対応力、柔軟性こそが22歳の誇るべき長所だ。これで今季の安打数は、1軍での3季通算に早くも並ぶ16本。捕手での先発マスクも8試合を数え、精神的なゆとりが魅力をより引き出している。

 「悪い内容でも、反省して次の打席を迎えられる。次がいつ巡ってくるか、わからないのとは違います」

 采配がズバリ的中した佐々岡監督は、決勝打の坂倉を「ひと振りで応えてくれた。大きい」と絶賛。振り返れば四球で出塁し、敵失を絡めて決勝の生還を果たした大盛も先頭・大瀬良の代打だった。坂倉は力を込める。

 「僕たち若い者が雰囲気を出し、若々しくプレーしていきたい」

 前日殊勲の羽月もしかり。フレッシュな力の躍動。その先頭に背番号61がいる。 (江尾 卓也)

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