中京大中京・高橋宏 出た154キロ!1失点完投、9回にも151キロ!12日甲子園交流試合も期待大!

[ 2020年8月9日 05:30 ]

愛知大会準々決勝   中京大中京4-1至学館 ( 2020年8月8日    岡崎市民 )

<愛知大会 至学館・中京大中京> 5回、ぴしゃりと抑え吠える中京大中京・高橋宏 (撮影・平嶋 理子)                                                        
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 各都道府県が開催する代替大会は8日、17大会で計80試合が行われた。愛知では準々決勝があり、今大会初先発した中京大中京のエース右腕・高橋宏斗投手(3年)が自己最速を1キロ更新する154キロを計測。5安打1失点で完投した。進化を続ける令和の怪物候補の伸びしろは計り知れず、10日から始まる「2020年甲子園高校野球交流試合」がさらに楽しみになってきた。

 新たな領域に踏み込んだ。2―1の3回2死。高橋宏が相手の1番打者に投じた6球目の高め直球は、視察したオリックス・スカウトのスピードガンで「154」を表示。自己最速の更新に「1球良かっただけでは…」と謙遜するが、改めて能力を示すには十分な一球だった。

 1点を先制された直後の2回に味方が同点とすると、一気にギアを上げた。2回から4イニング連続で3者凡退。「自分がマウンドに上がる時は絶対に勝つと決めている」と気持ちを込め、危なげなく最後まで投げ切った。真っすぐの大半が140キロ台後半で150キロ台も球場表示で12球。スライダー、ツーシームなどを効果的に使い、無四球8奪三振の安定感を見せたが「先制点を取られたのは力不足。9回1失点だけ見ればいい投球ですが、内容はまだまだ」と満足感はなかった。

 1日の4回戦後に高橋源一郎監督(40)から、この日の先発を告げられた。公式戦は今年初先発で9回完投も7月初旬の練習試合の1試合しかなく、スタミナに不安はあった。8回に足を伸ばす動作を見せたが「7回くらいから絶対に代わりたくない気持ちだった」と投手としての本能でマウンドは譲らない。昨秋から登板前日はブルペン投球せずに調整。夏場は食事の回数を倍の6回に増やして83キロの体重維持に努めた。9回にも151キロを計測。工夫と努力で不足分を補った。

 8月9日は18回目の誕生日。同日の準決勝は疲労を考慮されメンバーから外れる見込みで自らの快投でバースデーを祝うことは難しい。スタンドから見守る光景を想像し「初めての経験なので」と苦笑いしたが「チームが勝ってくれれば、それが一番いいプレゼント。逆にいい記念日になります」と満面の笑みを浮かべた。

 勝てば、10日の決勝戦のマウンドに立つことが確実。昨秋から続く公式戦無敗を継続し、12日の智弁学園戦で自身最初で最後の聖地に降臨する。 (桜井 克也)

 《スカウトからは絶賛の声》客席で視察した7球団のスカウトからも絶賛の声が相次いだ。154キロを計測したオリックス・谷口悦司スカウトは「(3年生に)いい投手はたくさんいるが、球の力は一番かもしれない」と評価。現段階では進学を基本線としているが、プロ志望届の提出の可能性も残しているだけに、広島・松本有史スカウトは「出せば、上位は間違いない」と話した。

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