孫世代の選手と一丸 就任49年目、71歳“帝京・前田采配”練習不足をカバー

[ 2020年8月9日 05:30 ]

東東京決勝   帝京3―2関東第一 ( 2020年8月8日    大田 )

<帝京・関東第一>マスク姿で選手に指示を出す前田監督(撮影・村上 大輔)
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 6月に71歳の誕生日を迎えた帝京・前田監督は、孫世代の選手とコミュニケーションを欠かさない。夏の全国大会が消滅。練習自粛期間が明ける直前には18人の3年生全員と電話で話し、体の心のコンディションを確認した。

 今大会の大詰めでスクイズを駆使したのは主力の打ち込み不足を感じ取っていたからだ。決勝は1点差の9回1死一塁で初球にヒットエンドランを決めて一、三塁とし、6番・武藤闘夢(とむ、2年)の初球にスクイズを指示。「武藤は打ちたそうな顔していたから、2度スクイズのサインを出した。念のためね」と笑った。

 帝京と言えば伝統的に打撃が持ち味だ。06年夏の甲子園準々決勝、智弁和歌山戦では最終的にサヨナラ負けを喫したものの、4点ビハインドの9回、杉谷(現日本ハム)の逆転打など6連打で一挙8得点を奪った。その攻撃力を培えたのは5、6月に狭いグラウンドを効率的に使用してフリー打撃で筋力を鍛えつつ、実戦で技術を磨いてきたから。しかし、「今回は勝てるチームをつくる自信はないかな」。そう漏らした言葉は本音だった。

 それでも決戦が近づくと「選手の本気度が増してきた」と口にし、練習不足を采配でカバーした。就任49年目を迎える名将が、特別な大会で光った。

【OB祝福】
 ▼ソフトバンク・中村晃 まずは東東京大会優勝おめでとうございます。もう1試合あると思いますので、悔いが残らないように頑張ってもらいたいです。
 ▼阪神・原口 最後「魂」を本当に体現してくれるような勝ち方でした。元気だったり気持ちを凄く感じたので、それを自分のプレーにもつなげていけるように頑張りたいと思うと同時に本当に優勝おめでとうと言いたいです。
 ▼日本ハム・松本 僕らの年以降、甲子園に出ていないということは頭にありましたし、毎年いいところまで行きながら、勝てずに苦しんでいたと思います。ぜひ東京No・1の称号を手に入れてほしいです。
 ▼ヤクルト・清水 母校が頑張ってくれていることはうれしく思います。野球から離れる選手も、続ける選手も、この大会があったことを心に置いて、今後の人生を進んでいってほしい。

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