広島・松山 同点二塁打も…8回1死満塁でダメ押せず三振「1点でも取っていれば」

[ 2020年7月20日 05:30 ]

セ・リーグ   広島3―3ヤクルト ( 2020年7月19日    マツダ )

<広・ヤ>7回無死二、三塁、松山は右翼線に2点適時二塁打を放つ(撮影・奥 調)
Photo By スポニチ

 課題が重い。広島は19日のヤクルト戦に延長10回、規定により3―3で今季2度目の引き分けに終わった。2点を追う7回に松山竜平外野手(34)が同点の右翼線二塁打を放つと、会沢翼捕手(32)の中前打で勝ち越したが、勝利の方程式がまたも崩れた。

 試合終了は午後9時57分。グラウンドに整列し、スタンドのファンにあいさつする首脳陣、ナインの表情は一様に硬かった。無理もない。ファンの声援を背に、逆襲に転じるはずだった本拠地6連戦でまさかの1勝4敗1分。佐々岡監督はざんげする。

 「初めてファンが入った地元の試合で一つしか勝てなかった。本当に申し訳ない」

 ヤクルトの先発・高梨攻略に手こずる中、2点を追う7回に攻撃陣が意地を見せた。堂林、鈴木誠の長短打で無死二、三塁とし、打席に松山。カウント1―2からの内角低めフォークを捉えると、打球は歓声に後押しされて右翼線で弾んだ。

 「前の打席まで消極的だったので、タイミングが合えば振っていこうと思っていた。自分らしいヒットを打つことができた」

 2人の走者を還す起死回生の同点二塁打。膝元から落ちるボール球の難しい変化球を、巧みなバットコントロールでヒットゾーンへ運ぶ。松山ならではの芸当だった。続く長野が二ゴロで二塁走者を三進させると、会沢が本領を発揮する。

 「みんながつないでくれたので、ランナーを還せてよかった」

 2番手・梅野が投じた初球の真ん中高め直球。快音を発したライナーは勝ち越しの中前打となった。昨季はリーグトップの得点圏打率・351を誇ったものの、今季はここまで同・091。要所で、しかし、本来持つ勝負強さを見せつけた。

 悔やまれるのは3―2の8回だ。2四球と鈴木誠の左前打で築いた1死満塁。だが、突き放す絶好機で松山、長野が連続三振に倒れてしまう。「1点でも取っていれば、チームとして違う結果になったかも…」。背番号55はしきりに悔いた。

 「明後日(21日)からは1週間の遠征に出る。立て直して、一つずつ自分たちの野球をやっていくだけ」

 指揮官は勝ち切れなかった現実を受け止めながら、前を見て言葉に力を込める。リーグ3連覇の経験者が集うだけに、粘り強く戦えば、明るい光はきっと差す。反攻の時を信じて待ちたい。(江尾 卓也)
  

続きを表示

2020年7月20日のニュース