楽天・内田 史上初満塁弾!浅村と師弟アベック弾 バットも“完コピ”

[ 2020年7月20日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天9―5西武 ( 2020年7月19日    楽天生命 )

<楽・西>7回2死満塁、満塁ホームランを放ち浅村(右)から手荒い祝福をうける楽天・内田(撮影・白鳥 佳樹)
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 主砲の弟分が、価値ある一振りだ。楽天・内田靖人内野手(25)が19日の西武戦で、同点の7回に2号満塁本塁打を放ち、試合を決めた。師匠と慕う浅村栄斗内野手(29)の同点打に続き、師匠そっくりの打撃フォームとバットから生まれた決勝弾。今季は満塁機で打率・486と抜群の勝負強さを発揮している打線が7回に一挙6得点のビッグイニングを生み出し、首位をキープした。

 満面の笑みで頭をしばかれる手荒い祝福も師匠と初めて並んで受けたヒーローインタビューも、内田には至福の時間だった。

 「今年、最低でも1回は浅村さんと(お立ち台に)立ちたいと思っていたので、うれしかった」。5―5の7回2死満塁。平良の外角155キロ直球を右越えに運んだ。自身初のグランドスラムは、初の浅村とのアベック弾。試合を決める一発となり、喜びも倍増した。

 試合前、内田は浅村に「軸足のかかとに体重がかかり過ぎちゃうんです」と相談した。外角球や変化球を見極められていなかったからだ。師匠の「少し軸足を内側に入れてみたら?」という助言の効果はてきめんだった。1打席目で四球を選び、2打席目で右前打。第4打席で今季2本目のアーチを描いた。

 遠目から見たチームスタッフが「浅村が打っているのかと思った」と間違うこともあるほど構えはそっくり。バットも変えた。契約メーカー、SSK社に新しいモデルを発注。85センチ、840グラムの浅村モデルと形状も含めてほぼ同じで、重さは昨年よりも約50グラム軽くした。900グラム前後のバットを使う選手が多い中、極端に軽いのが特徴だ。同社の担当者は「操作はしやすいけど、重さがない分、スイングが弱い選手は速い直球に差し込まれてしまう」と話す。バットの重みで球をはじき返すことができないため、振る力がより求められる。

 1月の自主トレは「チーム浅村」に弟子入り。体幹を鍛えてスイングの土台をつくり、浅村ばりの中堅から右翼への強い打球を追い求めた。外角直球を逆方向へ。この日の一発は「浅村モデル」のバットを完璧に使いこなして生まれたものだ。

 今はまだレギュラー獲りを目指す立場。「今後も浅村さんにアドバイスをもらって、やっていきたい」。主砲の後継者になる日まで、信じてついていく。(重光 晋太郎)

 ≪満塁での打点はリーグトップ≫楽天は7回満塁で浅村が同点の2点適時安打、内田が勝ち越しの満塁本塁打を放ち一挙6点。今季の楽天は満塁の場面でよく打ち、通算35打数17安打(打率・486)、1本塁打、44打点。本塁打こそ西武、ロッテの2本に及ばないが、打率はソフトバンクの・318、打点は西武の22打点を大きく上回りリーグトップとビッグチャンスで荒稼ぎしている。

 ▼楽天・三木監督 浅村は4番の仕事をしてくれて心強い。内田は起用に応えてくれて本当にうれしい。ただ、持っている力はこんなもんじゃない。

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