巨人6連勝!9回劇的逆転ドラマ 代走切り札・増田大の神走塁が岡本V弾呼んだ

[ 2020年7月20日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人5―3DeNA ( 2020年7月19日    横浜 )

<D・巨>9回巨人2死二塁、丸の二塁内野安打で代走増田大が同点の生還。捕手戸柱
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 「神走塁」が、独走態勢を加速させた。巨人は19日、DeNA戦で2―3で迎えた9回に逆転。一塁走者として代走出場した増田大輝内野手(26)が二盗後、二塁内野安打で一気に生還し、岡本和真内野手(24)の決勝9号2ランを呼び込んだ。チームは今季最長の6連勝をマークし、今季最多の貯金9。このままセ界を突っ走る。

 足が速いだけで「神走塁」は生まれない。50メートル走は5秒9だが球界には上がいる。ならば、なぜ代走・増田大が二塁から内野安打で生還できたのか。

 1つ目が「選球眼」。「2アウト、2ストライクでしたし。ストライクゾーンに入った瞬間にもうスタート切った」。2―3の9回2死二塁。山崎が3球で丸を追い込んだ。4球目。リリースポイントと軌道からストライクと瞬時に判断した。

 2つ目は「加速」。増田大は打球を一度も目視していない。「右方向だったので、こっちは見えない。とりあえず全力で。必死でした」。三塁の後藤野手総合コーチが腕を回したのを頼りに、打球を処理したハマの守備職人・柴田と勝負した。

 3つ目は「スライディング」。体は三塁ベンチ方向。伸ばした左手の指先だけでベースを触った。「飛んでからもう見えなくなった。自分的には触ったと思った。必死で突っ込みました」。セーフ判定で同点。DeNAがリクエストに出た。

 走塁の基本「3S(スタート、スピード、スライディング)」を忠実に実践した。地元・徳島県に妻子を残し、単身赴任の生活をする元育成選手。昨年末は「1年間なかなか子育てもできなかった」と計画した旅行も、近場の兵庫県・姫路を選択した堅実な男には「ギャンブル」などない。

 技術を尽くし、後は「神」に祈った。「お願い…という感じですね」。判定は覆らず同点。直後の岡本の勝ち越し2ランにつなげ、原監督は「価値から言ったら(決勝弾と)同格」と称した。

 9回1死から坂本の代走で出塁し二盗。6回中6度の盗塁成功率100%を誇るスペシャリストが、チームを今季最長6連勝に導いた。(神田 佑)

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