阪神4連勝 ボーア不在でも福留がいる!たった12試合で最大借金8返済

[ 2020年7月20日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神11―3中日 ( 2020年7月19日    甲子園 )

<神・中>3回1死、福留は左中間二塁打を放つ(撮影・北條 貴史)
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 阪神は19日の中日戦で今季最多11得点を奪って大勝し今季2度目の4連勝。今季初めて勝率5割に戻し最大8あった借金を完済した。ジャスティン・ボーア内野手(32)が右臀部の張りで欠場する中、6月26日以来の先発出場となった球界現役最年長の福留孝介外野手(43)が適時打を含む3安打4打点の活躍を見せた。

 開幕当初のどん底から、驚く速さではい上がった。最大8あった借金を、たった12試合で完済。旗手となったのは43歳のベテラン福留だった。ボーアがベンチから外れ、糸井も欠場した一戦。破壊力低下が否めない中、穴を埋めるどころか余りある活躍を披露した。

 「(代役で主軸を任された)気負いは必要ないと思う。チームがすごくいい流れの中でいい状況で打席に立たせてもらった。その流れに乗ってやらせてもらっただけです」

 助っ人の代役5番として17試合ぶりの先発出場を果たし、さらりと主役を張った。武田の右前への飛球を好捕した直後の初回、2点を奪い、なおも無死一、三塁から左犠飛を放つと、3回1死からは中堅左を深々と破る二塁打。2点を勝ち越した4回1死満塁では中犠飛で6点目を生んだ。

 運も味方に付けた。6回1死一、三塁で打ち上げた左前への飛球を相手が“お見合い”して適時打となり3打点目。仕上げは8回1死二塁。二遊間をしぶとく破る中前適時打で仕上げだ。今季初の3安打で出場2試合連続の4打点。6月27日まで1割を切っていた打率は・267まで上昇した。

 「出来すぎだと思いますけど…」と話す43歳がけん引した打線は14安打を放ち、中軸3人で8打点を挙げるなど今季初の2桁11得点。4回には無安打で3得点と相手のミスの恩恵も受けた。勝率5割復帰への執念が重圧を与え、前回名古屋で3連敗を食らった相手に3連勝でリベンジし、3位に浮上した。

 トンネルを抜けた矢野監督は「全員でつかんだ勝利かな」とかみしめ「5割復帰とか、いろんなことが頭をよぎりながらやっているけど、新たなスタートを切れる。ここから積み上げていけるような、そういうスタートにしたいと思います」と上だけを見据えた。

 開幕6試合で10得点だった貧打は過去の話。今週6試合は4倍増の40得点だ。打線の覚醒に遅れまいと福留も本領発揮し始めた。「特別何かをするわけじゃないのでやることは変わらず。できること、やっていることを続けていけばいいんじゃないですか」。冷静な口調が“自信あり”を感じさせた。(巻木 周平)

 ≪9年ぶり借金8以上の完済≫阪神は7月3日時点で最大8あった借金を完済。今季初の勝率5割とした。借金8以上の完済は11年7月27日に借金11を完済して以来、9年ぶり。

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2020年7月20日のニュース