DeNA借金完済!単独3位浮上 “神”茶谷だ新人トップ5勝「三振欲しいところで取れた」

[ 2019年7月3日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA4―0阪神 ( 2019年7月2日    横浜 )

5回2死満塁、糸原を空振り三振に仕留め、ガッツポーズする上茶谷(撮影・尾崎 有希)
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 ついに、DeNAが借金を完済した。5月16日の最大11から、74日ぶりに勝率5割復帰。阪神との直接対決を制し、単独3位に浮上したラミレス監督は「凄くうれしい。阪神にはなかなか勝つことができなかったが、初戦を取れたのは大きい」とご満悦だった。

 勝利の立役者は上茶谷だ。6回途中無失点。気迫の投球で両リーグ新人単独トップの5勝目をつかんだ。球団の新人で5連勝は82年金沢次男、16年今永に並ぶ球団最多タイ。それでも「ここで終わりじゃないので、また勝ちたいと思います」と表情を引き締めた。

 援護点をもらい、波に乗った。走者を出しながら、テンポを変えた投球で阪神打線を翻ろう。5回2死一、二塁では同じドラフト1位の近本から空振り三振を奪ったが、捕逸による振り逃げで満塁になった。マウンド上に駆け寄った三浦投手コーチの「そのまま投げればいい」の言葉に応え、糸原を空振り三振。新人ではプロ野球史上初の1イニング4奪三振でピンチを脱し、大きく吠えた。「今日は三振が欲しいところで取れた」。6投手による完封リレーにつなげた。

 気持ちの変化が好調を呼ぶ。開幕から白星に見放されて自身の投球を見失っていたとき、三浦投手コーチから「客観的に自分を見ろ。打者との勝負で周りが見えていない」と言われ、ハッとした。走者を出しても焦らない姿勢は粘りの投球につながった。試合への入り方も変わった。相手打線のイメージや相性を考えすぎていたが「それでは気持ち的に攻められない」。試合への準備に集中することで余計な意識がなくなった。東洋大時代は投げ込みを重ねていたが、疲労を蓄積させないように休息も重視。「休むことは大事です」と笑う。そのメリハリが新人ながら指揮官を「今永に匹敵する安定」と言わしめている。

 16年にも2桁借金を完済してAクラス入りしたラミレス監督は「ここからさらに突き進んでいきたい」と誓った。この勢いのまま、貯金生活に突入する。(町田 利衣)

 ≪新人初の1イニング4奪三振≫上茶谷(D)が阪神戦の5回に振り逃げを含む1イニング4奪三振をマーク。1イニング4奪三振は昨年9月15日に千賀(ソ)が記録して以来24人、25度目のプロ野球タイ記録。DeNAでは16年石田以来4人目で、新人投手の達成はプロ野球史上初めてとなった。

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2019年7月3日のニュース