巨人3年目左腕・中川が一皮むけるために取り組むべき課題

[ 2018年9月4日 11:00 ]

巨人・中川
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 9月に入り、ペナントレースも佳境を迎えた。ここからはチームとしてはもちろん、個人にとっても大事な戦いとなる。クライマックスシリーズ進出争いを繰り広げる巨人では、3年目左腕・中川に注目だ。

 一皮むけるために取り組むべき課題は明確だ。木村投手兼トレーニングコーチからアドバイスをもらった。「左バッターのインコースを投げきれないと1軍に残っていけない」。指導者として、数多くの選手を見てきた同コーチの言葉は胸に響いた。

 9月3日時点で、被打率は対右打者・299に対して、対左は・344と苦戦。中継ぎ左腕として、対左打者の被打率を向上させなければ1軍定着は厳しい。無意識に死球を怖がることで、微妙なコントロールミスを起こし、内角の厳しいコースを突けなくなる。結果として甘くなった球を痛打された。「真っすぐをいつでも左打者の内角に投げられるように練習や試合で意識してやっていきたい」と課題に正面から向き合う。

 今季は先発に挑んだが開幕は2軍。リリーフとして4月中旬に昇格するも5月下旬に登録抹消。7月3日に再昇格を果たした。ここまで23試合に登板。防御率は5・58だが最近5試合に限ると1・50と安定感が増してきている。8月19日の中日戦ではプロ初勝利を挙げた。4点ビハインドの9回に4番手としてマウンドに上がり、わずか7球で3者凡退に抑えた。テンポ良い投球は攻撃のリズムを生んだ。その裏、味方が5連打などで一挙5点を奪い、逆転サヨナラ勝ちした。

 転がり込んだ初勝利にも「野手が打ってくれて勝ちが付いた。何も変わらない」と冷静だった。だが同時に24歳の素直な心情も明かした。「1つも勝てずに引退する人もいる。1つ勝ちがついたのは嬉しいこと。今後はもっと勝ち試合、接戦で使ってもらえるようにしたい」。

 シーズンは残り19試合。「1番は最後まで1軍にいること。その中で1つでも多くチームに貢献するのが目標」と中川。左打者への弱点克服は本人の成長だけでなく、チームの勝利にもつながる。(記者コラム・岡村 幸治)

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2018年9月4日のニュース