阪神・矢野2軍監督に聞く1 どんどん挑め「失敗しても何かが分かる」

[ 2017年11月11日 08:37 ]

阪神・矢野2軍監督に聞く1

阪神の矢野2軍監督
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 阪神・矢野燿大2軍監督(48)がスポニチのインタビューに応じ、重責と覚悟を語った。1軍作戦兼バッテリーコーチからの転任で、1軍で活躍できる選手育成へさまざまなアイデアを披露した。(聞き手=畑野 理之)

 ――2軍監督として始動した。

 「評論家の時も考えでは2軍のイメージが多くあった。2軍でこうやったらいいとか、これを取り入れたら…とか。宮崎(フェニックスリーグ)でも極端にいうと1イニング3球で終わってもいいと言っていた。初球を振って、3人で3球でチェンジになってもいい…と。選手は積極的にやらないと、うまくならないと思っているから」

 ――1軍ではできないことだ。

 「失敗しても何かが分かる。盗塁でも、(宮崎では)アウトになってもいいから今日は全員いけっていう日を作った。そしたら糸原とか坂本が盗塁ができた。高山はけん制で逆をつかれて、でも戻れたりとか。そうしたら、これだけ出られるんやなとか、まだ半歩出られるとかが分かる。仮にアウトになっても、もう一歩リードが足りない、スライディングの強さが足りない…など理由が分かる」

 ――(続けて…)

 「例えば、高山でも、スタートを切るつもりからけん制で戻るのが、すごくいい練習になる。スタートを切るつもりがない時にけん制をもらって戻るのは誰でもできるから。同じように打つことでも、初球を打ちにいってボールだからバットを止めるのが練習になる。打つつもりがない時にボール球がきても誰でも普通に見逃せるから。実戦の中でしかできないことがある」

 ――2軍の試合では制限せずにやらせてみる。

 「初球を振る、3ボールから振る…ということを認めてあげる。凡打しても許してあげないと、振りに行って安打にできないボールは急に見逃すという練習はできないからね。例えば、陽川は元々初球からは打っていかないタイプ。でも、1軍にいったら代打で1打席しかチャンスがないのに初球を見送って、2球目振りにいって、追い込まれて結局中途半端なバッティングで終わっている。それだったら、1球目から振りに行く形を身に付けていかないと」

 ――1軍で結果を出している選手は初球から積極的だ。

 「広島とかDeNAの選手はあまり初球を見送らんよ。振ってくる。キャッチャーの目線で言うと、振ってこないのが分かっていたら初球を簡単にストライク取って、次は追い込まれるのがイヤだから振ってくるでしょう…という配球をして。追い込んでしまえば、こいつはここが強いから反対側のコースに一つ投げて幅を広げておこうとか、こっちのペースにできる。でも、振ってくる選手は初球から考えさせられる。例えば広島の丸とかがそう。投手は甘いところはダメだと初球からプレッシャーがかかって、こっちのリズムになっていない。高山とか陽川の例を出したけど、1軍でいいプレーをするために2軍では失敗を恐れずに積極的に取り組ませていきたい」

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2017年11月11日のニュース