阪神入団前に…超異例!ドラフト指名選手を秋季キャンプ呼ぶ 金本イズム予習や

[ 2017年11月11日 08:16 ]

阪神の金本監督
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 期待の新顔が安芸に集合だ!阪神が今秋ドラフトでの指名選手を高知県安芸市で実施中の秋季キャンプに招集する方針が分かった。1位の馬場皐輔投手(22=仙台大)を筆頭に育成選手1人を含む7人の中から都合のつく選手を見学として呼び寄せる方向で調整中。来春に備えて金本イズムを予習させる狙いで、入団発表前の異例の“キャンプイン”になりそうだ。

 超異例のプランが水面下で進んでいた。今秋ドラフトで指名した選手たちに秋季キャンプを生で見学させる計画だ。2日から始まった安芸でのキャンプは約半分の日程を終え、若手を中心にハードな練習を連日続けてきた。その過酷な光景を、来季からタテジマのユニホームを着る新顔に見せる案が動きだしていた。

 球団関係者が「その方向で話を進めている。まだ、仮契約も終わってない状況なので、何とも言えないし、具体的な日にちなども決まっていない」と明かした。今秋のドラフトでは育成選手1人を含めて7人を指名。内訳は社会人が1人、大学生が5人、高校生1人で、即戦力候補が多数を占めた。あくまでも各自の会社業務や学校行事などが最優先ながら、都合が合えばキャンプ地に招待する案を指名選手にも伝えた。

 実際に金本監督も今秋ドラフト後に「練習を見せるのもいい。トレーニングのビデオとか。こういう練習をやってますよと。バッティングを何時間やっているとかね」と練習メニューなどの具体的資料の事前配布を提案していた。球団も賛同した上で、資料配布に加えて実際に生で見せることがより効果的だと判断した。

 球団主導のキャンプ見学会の実現へ必要な仮契約も早めた。10日に済ませた1位の馬場を手始めに今後も順次進める予定。秋季キャンプ終了時点でも仮契約を終えていなかった選手がいた昨年を思えば手続きは格段に早く、見学会の準備の一環と言っていい。

 既に金本監督は来春キャンプへ向けて社会人、大学出身の即戦力候補5人を沖縄の1軍組の抜てきする方針を明かしている。新人は年明けの入寮までは球団管轄ではなく各自で自主トレする必要があり、キャンプの練習を見ることで冬の過ごし方も変わるはずだ。

 今秋キャンプは19日が打ち上げで、球団では16日からの最終クール中に見学に招く日程で調整中。13年ぶり優勝を狙う来季へ向けて新戦力に寄せる期待は大きく、猛虎の未来を担う金の卵たちのひと足早い“キャンプイン”が実現する可能性は高い。

 ≪67年川藤「激しさに恐れをなした」≫ドラフト指名選手の秋季キャンプ見学は阪神では過去には67年9位指名の川藤(若狭)が入団契約直後に安芸を訪問した例があり、「プロの練習の激しさに恐れをなした」と述懐している。近年の指名選手の見学はない。09年には高知県出身のドラフト1位・二神(法大)が帰郷の際に訪問を検討して見送った。他球団では今月6日に楽天1位の近藤(岡山商大)が倉敷のキャンプ地を訪問。なお、高校生指名選手の見学は、かつて学生野球憲章抵触の恐れから長らく自粛されていたが、05年以降「学校長の事前了解」、「練習不参加」などの条件付きで高野連が認めている。

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2017年11月11日のニュース