藤田平氏「必然の結果」岡田彰布氏「普通とは違う特性を生かし続けた」

[ 2017年9月9日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神8―3DeNA ( 2017年9月8日    甲子園 )

<神・D>2回、通算2000安打を達成し、記念のボードを手にファンの大歓声に応える鳥谷
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 阪神初の生え抜き2000安打達成者である藤田平氏(69=野球評論家)は鳥谷の偉業達成をネット裏から見届けた。

 自身に続いた後輩を「2000本という数字を達成するまでに、紆余(うよ)曲折があったと思う。ここがゴールではないけど、まずはおめでとうだね。入団当時から左方向に打つ技術は高かった」と称え、「不振に苦しんだ昨年は、引っ張る意識が強すぎて打撃全体が崩れていったけど、今年は一昨年までの意識で打席に入れているから、必然の結果として打率が残せている。今後も自分のペースで調整していけばいい」とエールを送った。

 早大の先輩で鳥谷入団時の監督でもある岡田彰布氏(59=野球評論家)も「達成おめでとう。私が監督時に獲得した鳥谷は東京六大学で3冠王を取ったとはいえ、守備を見込んでのものだった。打つ方の期待度はあまりなかったけど、体力があり、練習はできるなという印象がある。元来が左利きで、左手での押し込みが強く、差し込まれてもヒットにできる。普通とは少し違う特性を、長年、生かし続けたのが大記録に結びついたのだろう」と喜んだ。

 ▼広島・新井(阪神時代にともにプレー)遊撃という大変なポジションで、ずっと出続けて積み上げてきた数字は凄いこと。持って生まれた体の強さと努力のたまもの。

 ▼野村徹氏(早大野球部元監督、大学時代の恩師)同じ年に鳥谷と青木が2000安打を達成することの喜びは、非常に大きいですね。2年春に3冠王を獲得しましたが、これっぽっちもてんぐになることはなかったです。ただ、直後の秋のリーグ戦は打率も2割台で、ショートのベストナインも東大の選手に譲った。相当、悔しかったんでしょうね。早稲田の野球部寮は1人部屋なんですが、「こんな生活をしていてはダメだ」と野球以外の日用品を全て押し入れにしまったそうです。これもまた転機の一つでしょう。

 ▼聖望学園・岡本幹成監督(高校時代の恩師)今では阪神のスター選手、プロ野球界を代表するような選手になってしまったけど、僕にとっては「初めて甲子園へ連れていってくれた子供たち」の印象の方が大きいですね。まさか、自分の教え子が2000安打するなんて思ってもみなかった。いつも、彼に言うんですよ。「俺は得してるわ。だって、おまえが凄い選手になればなるほど、おまえを教えた俺は“さぞかし立派な人だ”と思ってもらえるもん」って。

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