【鳥谷特別手記】結果に一喜一憂しないのは次の打席への準備があるから

[ 2017年9月9日 07:50 ]

セ・リーグ   阪神8―3DeNA ( 2017年9月8日    甲子園 )

<神・D>2回、通算2000安打を達成し、記念のボードを手にファンの大歓声に応える鳥谷
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 阪神・鳥谷敬内野手(36)が8日、DeNA戦の2回に右中間適時二塁打を放ち、史上50人目の通算2000安打を達成した。生え抜きでは83年の藤田平以来34年ぶり2人目。阪神に在籍した選手では初めて本拠地の甲子園球場で成し遂げた。実働14年目での到達は日本人では長嶋茂雄(巨人)らに並ぶ最速。1877試合連続出場の鉄人が大きな勲章を手にし、スポニチ本紙に「特別手記」を寄せた。

 何とかして試合に出るということを考えて、日々過ごしてきました。その結果として、2000安打につながったのかな、と思います。ただ来年も試合に出られるわけではありません。だからこそ、「向上心」を持ち続けなくてはなりません。ずっと試合に出るためには、選手としてレベルアップしていくのは当然のことでしょう。

 2年目からレギュラーになりましたが、結果を受け止められるだけの準備だけはしっかりとしてきました。野球は失敗のスポーツです。でも何かミスをした時に後悔だけは絶対にしたくありません。仮に打てなかったとしても落ち込むのではなく、その瞬間から次の打席に向けての準備が始まります。結果に一喜一憂しないのは、その辺りにも理由があるし、準備の段階で自分にできることを全てやってきたからこそ今があると考えています。

 ショートというポジションを失いました。昨季が終わってからは2000安打よりも、もう一回試合に出続けようと思ってオフを過ごしてきました。今年ショートでは出られず、オープン戦も自分のポジションがなかった。でも、その中で今、サードをやってここまでできているのは良かった。今もショートで出られるのが一番という思いもありますが、与えられたところでベストを尽くすことだけを考えて、日々の練習に取り組んでいます。

 僕が阪神を選んだ理由は、甲子園が土のグラウンドということがありました。大学時代から考えていたのは「少しでも長くプレーをする」ということ。ならば、負担がかかる人工芝の球場は避けた方が良い。また、高校時代に甲子園に出場した経験も、決断を後押ししてくれました。

 岡田監督をはじめ、歴代の真弓、和田、金本監督、首脳陣の方々が辛抱して使ってくれて、今があります。ケガをして出られないという時でも「試合に出続けろ」と起用してもらいました。そういう意味では、プロに入ったとき、岡田監督がずっと使い続けてくれたことに感謝しています。

 野球人生、長い時間を残されているわけではありません。これまで以上に悔いを残さない日々を送りたいと思います。 (阪神タイガース内野手)

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