楽天ドラフト1位右腕・藤平が改善すべき癖

[ 2017年8月8日 10:30 ]

楽天・藤平
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 ドジャースに移籍したダルビッシュでさえ、癖が出る。古巣レンジャーズでの最終先発だった7月26日のマリナーズ戦。4回途中、プロワーストの10失点でKOされた。直後にヤフースポーツの敏腕記者ジェフ・パッサン氏が、自身のツイッターで「マーリンズは投げる球が分かっていた」と投稿。ダルビッシュは「Thanks for sharing this(この情報をシェアしてくれてありがとう)」と英語でリツイートし「おかげで直すことができる」と言った。

 6日、Koboパーク宮城で行われた楽天―ロッテ戦。楽天はドラフト1位右腕・藤平がプロ2度目の先発登板した。6回2失点ながら援護なく初勝利ならず。打たれた安打も4本のみだったが、致命傷となったのは走者を背負ってからのマウンドさばきだった。2点目を失った6回。ロッテの先頭・荻野が右前打で出塁すると、1球けん制をもらったあと続く鈴木の初球に迷いなくスタートを切った。藤平はこの二盗を含めロッテに3盗塁を許した。

 藤平のセットポジション。始動から捕手に届くまでのタイムは1・3秒台で許容範囲だった。だが、ロッテの走者がたやすくスタートを切ることができた2つの理由があった。まず、打者へ投球する場合の癖だ。左足を上げて始動する直前に、体全体が本塁方向へ傾くように動いた。もう1つは、けん制を投げる際のグラブの傾き。藤平はセットポジションの際に顔の前に縦にグラブを立てるように構える。それが、けん制の時だけグラブが少し斜めに倒れていた。試合後に楽天側に確認すると、この試合でどちらの癖も出ていたことを把握していた。「クイックのタイムは1・3秒くらいでも、その前に傾き始めるのを入れたら1・5秒くらいかかっている」とチーム関係者。試合直後、藤平は「クイックが遅いので、顔の動きやけん制で走者を抑えるとか、やらないといけないことがたくさんある」と話したが今後、本当の原因を改善していくことになる。

 遊軍記者ながら、6月16日の阪神戦(甲子園)に続いて2試合、藤平の登板を担当した。甲子園の記者席はネット裏スタンド上部。Koboパーク宮城の記者席はネット裏の低い場所にあり、選手とほぼ同じ目線で見ることができたので今回、気づくことができた。初登板で抜ける直球が多かった藤平は今回プロ最速を4キロ更新。148キロをマークし、抜け球も減らす修正能力をみせた。チームで癖も把握している状況。すぐに修正するだろう。

 ダルビッシュの場合と違い今回は「この情報をシェアしてくれてありがとう」と感謝されることもない。でも、読者の皆さんのシェアは大歓迎です。(記者コラム・春川 英樹)

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2017年8月8日のニュース