侍・小久保監督 オランダ戦心構え伝授 投手も捕手も内角「攻めろ!」

[ 2017年3月12日 05:36 ]

WBC2次ラウンド   日本―オランダ ( 2017年3月12日    東京D )

練習中に小久保監督(右)と言葉を交わす小林
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 打撃練習中だった。日本代表の小久保監督は小林、炭谷ら捕手陣に次々と話し掛けた。最も重要な初戦。強力打線のオランダと対する心構えを説いた。

 「いくらビッグネームだとしても、攻める気持ちだけは失わないようにと話した。バッテリーもある程度データもあるし組み立ても考えているでしょうけど、そこに攻める気持ちがないと駄目だと思う。後ろの投手(救援陣)にも話をした」

 昨季メジャーで20本塁打以上放ったボガーツ、グリゴリアス、J・スクープを中心にメジャー組5人がスタメンに名を連ね、バレンティン(ヤクルト)が中心に座る。かわすような配球では抑えきれない。内角攻めも含めた攻撃的な投球が必要だ。巨人の先輩・阿部から激励のメールをもらったという正捕手の小林は「線ではなく、一人一人を打ち取ることが大事。イニングの先頭であったり。チーム全員で抑えて勝つ」と表情を引き締めた。

 1次ラウンドを初めて全勝で突破したが、ここからが真の勝負だ。だからこそ、指揮官は「明日が大事」など7度も「明日」という言葉を使った。1次ラウンドで機能した打線についても「1次ラウンドは過去のこと。一番勝てる確率が高いことは何か、どうすれば一番オランダが嫌がる打線になるかを今晩悩みます」と安定ではなく、よりよい形を求める考えだ。

 勝利を届けるもう一つの意味がある。

 「震災から完全な復興を成し遂げられているわけではない。苦しまれている人がいる。明日の試合ではユニホームを着てプレーできることを幸せに感じてグラウンドに立ちたい」

 初戦で敗れれば、4大会連続の準決勝進出へ窮地に追い込まれる。初戦必勝。あらゆる力を結集し、オランダを撃破する。 (倉橋 憲史)

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2017年3月12日のニュース