松坂 725日ぶり本拠で7四死球…工藤監督「次もある」も正念場

[ 2017年3月12日 05:48 ]

オープン戦   ソフトバンク4―3中日 ( 2017年3月11日    ヤフオクD )

<ソ・中>2回無死、遠藤を捕邪飛に抑える松坂
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 右肩手術からの完全復活を目指すソフトバンク・松坂大輔投手(36)は11日、中日戦に先発し、4回2/3を5奪三振、1安打2失点(自責点1)ながら、7四死球と大荒れのマウンドとなった。15年3月17日のロッテ戦以来、実に725日ぶりの本拠地ヤフオクドームでの投球は消化不良に終わったが、工藤公康監督(53)は再び1軍で登板させる方針を示唆。先発ローテーション入りへ、次回登板が有力視される18日の西武戦(メットライフドーム)が正念場となりそうだ。

 マウンドを降りる背番号18に降り注いだ拍手は、悔しさを増大させるだけだった。ベンチに座るとこうべを垂れて、首を振る。こんなはずではない、との思いがこみ上げていた。

 「よく(ボールが)暴れていた。すべての球種で(指に)引っ掛けた。神経質にならずに大胆に投げた方がよかった…」

 制球力のある方ではないが、普段以上に荒れた。初回。先頭の大島に中前に運ばれると、けん制悪送球や四球などで1死一、三塁。続く4番ビシエドに投じた初球。内角を狙ったツーシームが、真逆の外角へワンバウンドする暴投で1点を失った。3回こそ3者凡退としたが、4回に2四球、5回は3四死球で2死満塁と再び制球を乱し、95球で交代した。

 かつての剛速球があれば、多少、ボールがばらついてもねじ伏せられた。だが、最速は142キロ。「球を動かせて打ち取る」スタイルへの変化を模索中の36歳は、「(沈む)ツーシームを有効に使いたい」と、この日に日本球界復帰後初めてプレートの立ち位置を三塁側から一塁側へ変えた。右打者の内角へのツーシームに角度をつけられるからだ。しかし、思った効果は得られず、逆に7四死球と制球を乱した。

 オフに参戦したプエルトリコでのウインターリーグ(WL)では、コンスタントにストライクゾーンに投げることを意識してノーワインドアップ投法を続けた。そして、今季実戦初登板となった2月25日の巨人2軍との練習試合では全41球がセットポジション。今月4日のヤクルト戦では今季初めて試合で振りかぶって投げるなど、暗中模索は続く。

 ただ、松坂の目は死んでいない。「このままでは終われない」と降板後にはすぐ、ブルペンに直行し、修正に取り組んだ。試合後は「(自宅に)帰ってからは映像も見る。明日(12日)すっきりと練習に臨めるよう、方向性だけでもつけたい」と足早に帰路についた。

 工藤監督は「(5回途中で)代えたのは球数が多かったから。いい球もいくつかあった。次もある。ここ何日間かでしっかり調整してほしい」と言及。次回は中6日で18日の西武戦となる予定で、この登板が正念場だ。

 オープン戦とはいえ2年ぶりの本拠地だった。結果は開幕ローテーション入りへ前進とはならなかったが、松坂は「ホームで投げられるのは特別なことだと思う。次回、投げることがあれば、もっとまともなピッチングを見せたい」と雪辱を誓う。残り少ないチャンスで先発枠を勝ち取り、再びこのマウンドに立った時こそ、本当の「お帰り!」だ。(福浦 健太郎)

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2017年3月12日のニュース