【侍Jライブ解説・広澤克実氏】<6回>「初対決」に関しては米国でプレーの選手が有利か

[ 2017年3月12日 21:57 ]

<オランダ・日本>5回無死二、三塁のピンチを無失点で切り抜けた千賀(左)に声をかける小林
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 第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は12日、東京ドームで第2次ラウンドが始まり、E組の日本代表はオランダと対戦。侍ジャパン第4戦をスポニチ評論家の広澤克実氏がライブ解説中です!

◇試合速報
侍014 010
オ014 000

【6回】<日本、この試合初めての無安打>

バンデンハークが降りてから、オランダはそんなにいい投手を出してきているとは思えない。ただ、「初対決」というところで日本は苦労している感じがする。

 日本のプロ野球は基本、5球団との対戦の繰り返しだ。初対決ということについては、球団が多く、交流戦も多いアメリカでプレーしている選手の方が長じているのではないか。切れている千賀のスライダーを、スミスに打ち返されて二塁打にされたのを見て、そう思った。

【5回】<小林のタイムリーで日本1点リード、その裏千賀が無死二、三塁のピンチもしのぐ>

 日本とオランダでは中継ぎ投手の力の差を感じる。日本はいい投手が残っているし、オランダにとっては弱点でもあるんだろう。

 千賀はピンチを招いたが、やっぱりいいピッチャーだ。真っすぐも軸になる球だろうけど、一番の武器はフォーク。ピンチで迎えた各打者は、情報もあるんだろうけど、フォークをすごくマークしていた。ことに無死二、三塁で迎えたボガーツ。フォークへの意識が強すぎて、最後は真っすぐに反応できず見逃し三振した。先ほどのバレンティンの反対で、うまく小林が「察した」と思う。ボガーツを仕留めたことで、次は打ち取りやすいバレンティン。しっかり仕留めてピンチを脱した。

【4回】<平野が4回裏から登板、3者凡退>

 平野はオリックスでは抑え役。終盤の投手のことを「火消し」というけど、まだ4回ながら、オランダ打線に対する「火消し」になったね。

【3回裏】<直後、バレンティンの2ランなどで同点とされる>

 残念だ。知らない選手に打たれたんじゃない。オランダの打者で一番知ってるバレンティンに打たれたのだから、残念というしかない。

 小林は、何度も巨人でミーティングしているはずだ。バレンティンはヤマ張りの打者だと。それまでの2球を見れば、変化球狙いなのは明らか。打者が何を狙っているのか、一番近くにいる捕手が一番よく分かる。タイミングの取り方やステップの仕方。なんで察することができなかったのか――。

 【3回】<中田3戦連発の3点弾と秋山の適時打で突き放す>

 中田は変化球に対して、非常にタイミングが合っている。1打席目もカーブに崩されながら二塁打にしたし、ホームランを打つ前もスライダーをいいタイミングでファウルした。相手バッテリーも、中田にストレート勝負という配球はしづらかったんだろうが…。

 筒香と中田が鍵だと試合前に展望した。2人とも打てば一番いいが、筒香が打てなくても、中田が打つ。いいホームランだった。

 一方、バンデンハークは、ソフトバンクでは見たことのない出来の悪さだ。日本の打者を知っているからこその「怖さ」があるのだろう。

 【2回】<秋山の左犠飛で先制>

 日本の攻撃、1死一、三塁から一塁走者の山田が盗塁した。あっ、と思った。走らない方がいいのではないか、と。一、三塁だと秋山の足ならゲッツー崩れで1点入る可能性がある。二、三塁だと前進守備を敷かれて、三塁走者・中田の足だと内野ゴロで還れない。そう思った。

 そういう意味でも秋山がよく打った。ボールでもいいという感じで投げてきた高めの真っすぐをしっかり捉えた。

 【初回】<青木の二塁打が飛び出すも無得点>

  バンデンハークは真っすぐの割合が非常に多かった。オランダの捕手はバンデンハークのストレートを非常に信頼しているね。かといって藤川球児の全盛時ほどの真っすぐではない。日本の打者はストレートに振りまけないこと。青木の打撃のようにね。

 石川の変化球は通用する。緩急、特に緩い球が効果的だ。「柔よく剛を制す」日本か。「剛よく柔を断つ」オランダか――。

 ▼侍ジャパン先発メンバー 1番・三塁 田中、2番・二塁 菊池、3番・右翼 青木、4番・左翼 筒香、5番・一塁 中田、6番・遊撃 坂本、7番・DH 山田、8番・中堅 秋山、9番・捕手 小林、投手 石川

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