西武・岸 FA権行使を決断 楽天が解禁即アタック方針

[ 2016年10月30日 05:30 ]

西武の岸
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 西武・岸孝之投手(31)が保有する海外フリーエージェント(FA)の権利を行使することが29日、分かった。関係者によると、この日までに球団側に権利を行使する考えを伝えた。日本シリーズ終了後、正式にFAの手続きを取る。西武に残留する選択肢もあるが、通算103勝の実績を誇る右腕だけに複数球団の争奪戦になるのは確実だ。

 「レオのエース」が大きな決断を下した。今季で3年契約が終了。関係者によれば、プロ入りから10年間在籍した西武に愛着はあるものの一選手として他球団の評価を聞いてみたいとの思いも強いという。球団側とは今月中旬までに複数回にわたって残留に向けた話し合いを重ね、条件の提示も受けているが、この日までにFA権を行使する意思を伝えた。

 今季は右内転筋痛による離脱もあって2年連続で2桁勝利は逃したものの9勝7敗、防御率2・49という安定した成績を残した。10年間で7度の2桁勝利をマーク。8月16日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)では節目の通算100勝も達成した。球界屈指の実績と人気を誇る右腕とあって、今オフのFA戦線の目玉として各球団が動向を注視していた。

 今後、複数の球団が獲得に動くことは間違いない。中でも楽天は特に強い関心を示しておりFA宣言する場合に備えて調査を続けてきた。岸は宮城県仙台市出身。地元が生んだスターとあって今オフ補強の最上位に位置づけている。チームにとって13年以来となるリーグ優勝と日本一の奪還のためには先発陣の柱となる存在が不可欠となっている。交渉が解禁されれば即アタックをかける方針で契約面でも他球団に負けないだけの条件を提示するとみられる。

 西武の球団幹部も「絶対に必要な選手であることは間違いない」として、残留を望んでいる。残留か移籍か――。FA宣言へと舵(かじ)を切った岸が、他球団とも交渉した上でどんなアンサーを出すのか、注目が集まる。

 ◆岸 孝之(きし・たかゆき)1984年(昭59)12月4日、宮城県生まれの31歳。名取北から東北学院大へ進み、4年春に仙台六大学リーグ新の通算92奪三振。06年大学生・社会人ドラフト希望枠で西武入団し、1年目の07年に11勝。翌08年は12勝を挙げ、巨人との日本シリーズでは初登板初完封などの活躍でMVPを獲得した。14年5月2日のロッテ戦(QVCマリン)で史上78人目のノーヒットノーラン。13勝4敗の成績で、自身初タイトルの最高勝率を受賞した。1メートル80、77キロ。右投げ右打ち。

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