金本監督満足 秋季C初日からみっちり「とにかく体を強くする」

[ 2016年10月30日 05:30 ]

金本監督(手前)が見つめる前でティー打撃で汗を流す板山。奥は高山
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 駆け付け400スイングで幕を開けた。阪神は29日、高知・安芸の安芸市営球場で秋季キャンプを開始。金本知憲監督(48)が「鍛えるキャンプ」と予告していたように、ウエートトレーニング班以外の野手陣は、朝一番のメニューから計400スイングの10球連打ティー打撃を敢行。今キャンプでは全野手に1日1000スイングのノルマが課されていることも明らかになった。

 午前9時過ぎ。サブグラウンドで行われた安芸市主催の歓迎セレモニーが終わると、野手陣は室内練習場にこもった。ウエートトレーニング班以外の野手は2種類のバットを握った。従来なら、さあアップ…という時間に一心不乱に10球連打ティー打撃を敢行。1時間以上にわたって、乾いた打球音が室内練習場のBGMと化した。金本監督が意図を説明した。

 「数じゃないけど、やっぱり数は振らないといけないからね。数を目標にしているわけではないけどね。軽いバットでスピードを付けるスイングと、重いバットでしっかり体全体を使って投球の重さに負けない力強いスイング(を鍛えること)と両方の目的がある」

 10人の野手は全員、750グラム以下と1キロ前後の2種類のバットを用意。室内練習場の一角に指揮官、片岡打撃コーチら首脳陣も集まり、各200スイング、計400スイングを振り込んだ。これが今秋キャンプ最初で、朝一番のメニュー。阪神のキャンプでは、異例とも言える光景だった。加えて、野手全員に「1日1000スイング」のノルマが課されていることも明らかになった。

 「俺は数(で言うの)は好きじゃないし、片岡コーチも数は言いたくないだろうけど(一日)1000くらいは振ろうというのは言っている。目標じゃないし、到達地点でもないけどね」

 安直に数を振れ…ということではない。内容のない1000スイングに意味はない。指揮官の意図をくみノルマを設定した片岡コーチは「最低(限)やね。一つ数の目安というのを付けたかった。やみくもにやるだけじゃダメだけど、やみくもにやらないといけないこともある」と説明。「足りない場合は(宿舎に)持って帰って振るように言ってある」と続けた。

 初日を終えた指揮官は「こちらが言わなくても前向きに取り組んでくれている。今の気持ちのままでやってくれたら、来年の春、レベルアップしていると思う」と話した。内容を重視する「収穫の秋」が始まった。(惟任 貴信)

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2016年10月30日のニュース