データで見るハムの強さ リーグ断トツの最多盗塁132&最多犠打178

[ 2016年9月29日 08:10 ]

二盗を決める・西川

パ・リーグ 日本ハム1―0西武

(9月28日 西武プリンス)
 日本ハムが4年ぶり7度目のリーグ優勝を果たした。3連覇へ独走態勢にあったソフトバンクに驚異的なペースで追いつき、1カ月以上のマッチレースを最後に制した。二刀流・大谷の起用法を含めた栗山監督の采配が的中。歴代屈指の逆転Vをデータで振り返る。 (記録課・矢吹 大祐)

 ☆V字のV奪回 栗山監督は就任1年目の12年に初優勝。翌13年の最下位を経て、5シーズンで2度目の優勝に導いた。新人監督で優勝した18人のうち、同じチームで2度目の優勝を果たしたのは10人目。うち最下位を経由して再び優勝は栗山監督が初めてという華麗な返り咲きだった。

 ☆メークドラマ級大逆転 序盤はソフトバンクの独走を許し、6月24日時点で最大11.5ゲーム差の3位だった。そこから球団新の15連勝で猛追。9月2日にはマジック20点灯を許したが、最後の直接対決2連戦に連勝して首位を奪いM6を逆点灯させ、球団新の86勝でゴールした。優勝までの首位日数は14日間で、これは08年巨人の11日間に次ぐ短さ。10ゲーム差以上の逆転優勝は延べ7チーム目で、96年巨人と並び3番目の大逆転劇だった。パの5球団から勝ち越しての優勝は球団初。最多連敗は3度の3でカード3連戦3連敗は一度もなかった。

 ☆小技で先の塁へ 打線は中田、レアード、大谷がポイントゲッターとなった。4番の中田は110打点、レアードは打順下位ながら39本塁打でリーグトップ。そして主砲を前後の打者が生かした。盗塁132、犠打178はともにリーグ最多。走者が出ればすかさず二塁に進め、併殺打をリーグ最少の78に抑えて効率よく得点を挙げた。1番の西川は出塁率.404に41盗塁、併殺打0。中島はリーグタイ記録の62犠打と役割分担が明確だった。

 ☆MMMトリオが奮闘 規定投球回到達は156回で11勝の有原だけ。規定回到達が1人で優勝は、01年近鉄(前川)以来2リーグ制後2チーム目と珍しい。それでも10勝の高梨を筆頭に新戦力のバースや加藤ら、複数の投手が先発と救援を兼任した。抑えは増井の不振を受けたマーティンが、21試合連続無失点を含む21セーブ。マーティンの故障離脱後は吉川、谷元らが穴を埋めた。増井は途中から6年ぶりに先発に回って6勝1敗、防御率1.10。宮西も29試合連続無失点など、リーグ最多の42HPとフル回転した。

 ☆進化した二刀流 10勝、22本塁打の大谷は投打両面で大きく貢献した。ともに規定にはわずかに到達していないが防御率1.86はリーグ1位、打率.322は2位相当の好成績。投打で出場した7試合では7勝、打率.381と二刀流をさらに進化させた。特に首位を争ったソフトバンク戦に強く、投げては2勝0敗で防御率1.26、打っても打率.411で9本塁打。ライバルを土壇場で突き放す原動力となった。

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2016年9月29日のニュース