「うれしいっす」中田が男泣き 気合丸刈りも連日の4タコ

[ 2016年9月29日 05:30 ]

<西・日>厚沢コーチと抱き合う中田

パ・リーグ 日本ハム1―0西武

(9月28日 西武プリンス)
 日本ハム・中田は思わず男泣きした。前日に続く4打数無安打。大事な試合で主砲としての役割は果たせなかった。しかし、自分にはこんなに頼もしい仲間がいる。だからこそ喜んだ。自然と涙が流れた。

 「うれしいっすね。周りのみんなの助けがあった。感謝したい」。そして4番打者は「ストレス、プレッシャー…。きょうで一気になくなった」と本音を漏らした。

 「気合入れな、あかん」。頭を丸刈りにして試合に臨んだ。だが、初回2死三塁では見逃し三振。得点圏に走者を置いて3度、打席に立ったが、快音は響かなかった。それでも今季110打点。2年ぶりの打点王は確実で、勝利打点もチームトップの18だ。そのバットがあったからこそ奇跡的な逆転Vは可能だった。

 プロ9年目。米ハワイでの自主トレでは、トータル・ワークアウトのケビン山崎氏の指導でウエートや瞬発系のトレーニングを中心に体をいじめ抜いた。体重は100キロ前後を維持。慕っている稲葉篤紀SCOに鍛え上げたマッチョな筋肉美の写真を送ると、「ボディービルダー目指したら?野球に生かせよ」と返されたが、シーズン終盤にスタミナ切れした昨季の反省を生かした。

 一時は極度の不振に加えて腰の張りにも悩まされ、6月27日の西武戦(札幌ドーム)では代打を送られた。それでも「今もがき苦しんでいたら、あとで神さまが助けてくれる」。そんな中田の思いが届いた。王者ソフトバンクを逆転しての優勝に「去年あれだけボコボコにされた。うれしい」。そう話した4番打者の顔は誇らしげだった。 (鈴木 勝巳)

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