“ダイヤの原石”巨人育成・田原啓吾、1軍マウンド夢見てまい進

[ 2016年9月29日 10:50 ]

2015年に巨人2軍キャンプの紅白戦で先発する田原

 ダイヤの原石がいる。1メートル82、95キロ、恵まれた体格の本格派左腕。巨人の育成選手・田原啓吾(22)だ。肩肘の高い柔軟性を生かした腕の振りで、直球は140キロを超える。スライダー、チェンジアップ、カーブのキレも光る。

 「悔しいですけど、自分の実力が足りなかったから上がれなかった」。今年の7月末、支配下登録の候補に挙がったが、昇格は見送られた。昨秋は育成ながら、新生高橋巨人の秋季キャンプメンバーに抜てきされた。イースタン・リーグでは先発として5勝1敗、防御率は1・82と結果を残した。大きなチャンスをつかみかけながらも、手が届かなかった2桁背番。育成4年目を終えようとする今、今後の野球人生に相当な不安を抱えているだろう。

 それを払拭するため、練習、技術向上にまい進する。「来年のことはシーズンが終わるまで考えないようにしている」。立ち投げ気味だったのを修正するため、ビデオで自身のフォームを研究。左足一本で立ち、下半身にタメをつくる時間を長くした。左足を着地させると、一気に上半身をひねる。球持ちは良くなり、威力も増した。22日、ジャイアンツ球場。投球練習で約1カ月半の取り組みが実を結んだ。「自分の指にかかったボールを投げることができた。久々の感覚だった」と手応えをつかんだ。

 12年の9月末に行われた入団テストに合格し、横浜高から育成ドラフト1位で入団。あれから4年が経とうとしている。「ずっと続けていることを続けながら、体も変わるので良いコンディションを保っていかないといけない」。1軍での登板。夢見る若者が、ひたむきに汗を流している。(記者コラム・神田 佑)

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2016年9月29日のニュース