【埼玉】珍名軍団の新座柳瀬 高天V打で埼玉一番星

[ 2016年7月10日 05:30 ]

勝ち越し打を放ち、小泉監督(右)から祝福される新座柳瀬・高天

第98回全国高校野球選手権・埼玉大会1回戦 新座柳瀬10―3越谷総合技術

(7月9日 大宮公園)
 第98回全国高校野球選手権大会(8月7日から15日間、甲子園)の地方大会は9日、14大会で57試合が行われた。埼玉大会が開幕して、新座柳瀬が越谷総合技術に10―3で8回コールド勝ち。全国的にも珍しい名字の高天(こうてん)太朗外野手(2年)が5回に勝ち越し打を放つなど9安打10得点し、開幕戦を飾った。10日は、西東京大会に清宮幸太郎内野手(2年)を擁して連覇を狙う早実が登場。全国で35大会計293試合が行われる。

 珍名の高天が、バットで08年創部の新座柳瀬に初の開幕試合勝利を呼び込んだ。2―2の5回1死一、二塁。2ボールから真ん中内寄りに入った直球を逃さなかった。フルスイングで捉えた打球は左前で弾んだ。ソフトバンクの柳田が目標の選手という2年生は「4番に(3年生の)鈴木さんがいるのでリラックスして打てた」と勝ち越し打に白い歯を見せた。

 リクルーティングスタジオ社が運営する「名字由来net」によると、高天という名字は全国に約170人しかいないと推定される。鳥取出身の父・清志(きよし)さん(46)が「親戚以外では出会ったことがない」という珍しい名字だ。名前の太朗は清志さんが大ファンのバイオリニスト・葉加瀬太郎やウルトラマンタロウから取ったという。清志さんはマーリンズ・イチローが3歳からバットを握ったと聞けば、息子にも同時期からバットを握らせるほどの野球好き。殊勲打を放った活躍に「普段はマイペースだけど野球だけは頑張っている」と目を細めた。

 誰もが緊張する開幕試合。ナインの緊張をほぐしたのは小泉篤史監督だった。前日まで短髪だった指揮官が試合前の集合で帽子を取ると…。「起爆剤を与えたかった」と高校生の頃以来という丸刈りでナインの笑いを誘った。創部時から指揮を執る32歳の青年監督は10年にも開幕試合で鷺宮と対戦。「よく分からないまま…」。緊張で8回まで無安打無得点に抑えられて0―5で完敗。その苦い経験を生かした。

 「名字由来net」によると、三塁手の会退(あいのき)は全国に約10人、背番号17の加増(かます)は約130人しかいない。さらに中堅手の石井の名前は「風向威(かむい)」。名前だけでなく、堂々の戦いぶりで注目も勝ち取った。(畑 大地)

 ▽高校野球で話題になった主な珍名 近年では07年の創価・勘米良(かんめら)、08年の御殿場南は梨子木(なしのき)と三尋木(みぞろぎ)、12年の浦添工・手登根(てどこん)、智弁和歌山・蔭地野(おおじの)、13年の常総学院・眼龍(がんりゅう)らがいる。「名字由来net」によると、勘米良は全国に約210人、梨子木は約110人、三尋木は約350人、手登根は約700人、蔭地野は約90人、眼龍は約30人。

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2016年7月10日のニュース