“能見キラー”新井が逆転弾 一発攻勢で広島セ最速50勝

[ 2016年7月10日 06:20 ]

<神・広>3回2死一・三塁、新井が左越えに逆転の8号3ランを放つ

セ・リーグ 広島7-1阪神

(7月9日 甲子園)
 広島は9日、効果的な一発攻勢で阪神を7―1と圧倒した。口火を切ったのは新井貴浩内野手(39)だ。1点を追う3回、左翼中段へ8号逆転3ランを運ぶと、3点優勢の7回には丸が11号ソロ、“不敗神話”を持つ鈴木は12号2ランを放ってダメ押し。先発・岡田は6回7安打1失点の粘投で2勝目を挙げた。赤ヘルは96年以来20年ぶりのリーグ最速50勝到達。貯金は今季最多を更新する18とした。

 勢いの差、いや、力の差を存分に見せつけた。前夜がミスにつけ込んだ圧勝なら、この日はド派手な一発攻勢で虎を粉砕した赤ヘル。頼れるベテランが導火線に火を付けた。ナインを勇気づける一撃が飛び出したのは、先発・岡田が1点を先制された直後の3回だ。

 「好投手は追い込まれると苦しいので、思い切ってどんどん振っていこうと思っていた。チャンスで打ててよかった」

 2死一、三塁の好機。2ボールから能見が投じた内角低めチェンジアップを引き付け、大きなフォロースルーで振り抜くと、放物線を描いた打球は赤ヘル党で埋まる左翼中段へ吸い込まれた。3日、DeNA戦(横浜)以来の8号。価値ある逆転3ランだった。

 快打が欲しい場面でキラーぶりを発揮した。対能見は52打数21安打5本塁打、13打点。打率・404とめっぽう強い。当の本人は「自分では全然思っていない」と言うが、昨年5月9日にも同じ甲子園で“復帰1号”を放つなど、左腕には鮮烈な一撃を見舞っている。

 「自分の中でホームランを打ちたい欲はまだある。真っすぐもまだ速く感じていない。若い者にもまだ負けんよ…と。まだ自信はあるので」

 7月3本目のアーチ。猛暑の中、量産ペースが上がってきた。昨オフから継続する下半身中心のトレーニングが生きつつある。厳しい低めの変化球にも「しっかり下で粘れている感覚がある」。衰退は禁…とばかりに自ら厳しい39歳。その一撃を緒方監督は絶賛した。

 「新井の素晴らしい一打が、チームの雰囲気を変えてくれた。今日もいけるという勇気を与えてくれた一打。ナイスゲーム。いい攻撃ができた」

 新井の一発は若ゴイにも刺激を与えた。3点優勢の7回には丸が、“神ってる”鈴木が、虎に引導を渡すダメ押し弾。連夜の圧勝で貯金は今季最多を更新する18となり、96年以来20年ぶりのリーグ最速50勝に到達だ。

 「50勝? また明日の試合にしっかり準備するだけ。積み重ねだから」

 2位・巨人とは10ゲーム差。ベテランと若手が絶妙に融合する今季、実りの秋へと独走するのみだ。(江尾 卓也)

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2016年7月10日のニュース