菅野 前回9失点のDeNAに雪辱!9回でも153キロ連発

[ 2016年7月10日 05:30 ]

<巨・D>最後はロペスから三振を奪い捕手・小林誠とガッチリと手を合わせる菅野

セ・リーグ 巨人5-2DeNA

(7月9日 東京D)
 これぞリベンジ。これぞエースだ。巨人の菅野智之投手(26)は9日、DeNA戦に先発し、2失点完投で6勝目を挙げた。DeNAには前回対戦した6月24日に自己ワーストの9失点。9回に150キロ台を連発し、両リーグ最多の5完投目でチームを2位に浮上させた。前半戦最後の登板で6月3日の日本ハム戦(東京ドーム)以来、約1カ月ぶりの白星。首位・広島とは10ゲーム差だが、逆転優勝を目指す。

 2週間前の悪夢を振り払う。完投で勝つだけでは物足りなかった。力と力の真っ向勝負。9回1死、菅野は4番・筒香に6球全て速球を投げ込んだ。110球を超えていても関係なかった。

 「どれくらいいけるか試したかった。力は残っていた。ありったけの力をぶつけてやろうと思った。いい勝負ができました」。初球は151キロ直球。ワンシームも交えて追い込むと、5球目に今季最速タイの153キロを投げ込む。ファウルにされても引かない。6球目は151キロの内角高め。バットは空を斬った。最後の打者は7回に一発を浴びたロペス。スライダーで空振り三振を奪うと大きく右拳を振った。自身最多の13奪三振をマークし、無四球の2失点完投。9回に投げた9球の速球は全て150キロを超えた。

 6月24日。敵地でDeNAに自己ワーストの9失点を喫し、3回途中でKOされた。午前5時。薄暗く夜が明けるまで眠りにつくことができなかった。悔しさと情けなさ。「正直へこみました。今でも引きずっている」。初回、エリアンにワンシームを左前打され「ワンシームよりきれいな真っすぐの方が打ち取れるのでは?」と感じ、捕手の小林誠に伝えた。今季、ワンシームが直球の割合を超える試合も多かったが、2回から5回まで速球系は直球14球にワンシーム11球。直球主体で4イニング連続3者凡退に抑え「今日はリベンジできて良かった」と笑った。

 中5日での登板が3試合と、開幕からフル回転してきた。交流戦前、ジャイアンツ球場での練習を終えると「体調は万全とは言えませんよ」と話した。最近の調整法は技術よりも、コンディショニングに重点を置く。6月26、27日は異例の2日連続休養日を設け、1日は完全に体を休めた。交流戦が終わると有酸素運動を増やし、ストレッチも練習の前後だけでなく、就寝前やテレビを見ながらと、回数を増やした。体調面での調整の成功が、9回の150キロ超え連発につながった。

 防御率1・58。リーグトップを守ってきたが、打線の援護も少なく1カ月以上白星から見放されていた。6月3日の日本ハム戦(東京ドーム)以来36日ぶりの6勝目。お立ち台では自然と笑みがこぼれた。「最後までマウンドにいたのは久しぶりだったので、凄く気持ちいい」。首位・広島とのゲーム差は10。それでもエースは「まだまだ諦めていないので、後半戦もフルに活躍したい」と力強く言った。(神田 佑)

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2016年7月10日のニュース