誠也3戦連続V弾!3日間で16回「最高で~す!」

[ 2016年6月20日 05:30 ]

<広・オ>8回無死、鈴木は左越えに勝ち越しソロを放つ

交流戦 広島5-4オリックス

(6月19日 マツダ)
 2試合連続サヨナラアーチをかけた広島・鈴木誠也外野手(21)が19日、オリックス戦(マツダ)で今度は勝ち越し弾を放ってみせた。同点の8回に左翼へ特大の10号。広島選手の3試合連続決勝弾は、96年の江藤智(現巨人打撃コーチ)以来20年ぶりの快挙だ。6連勝のチームは11勝6敗1分、過去最高勝率.647で交流戦を終了。貯金11とし、同じく96年以来のリーグ最速40勝に到達した。

 21歳の底知れない破壊力に、3万1千人超の大観衆が酔いしれた。4点差を追い付いて迎えた8回の先頭打者。カウント1―2から山崎福の4球目、真ん中高めのチェンジアップをコンパクトに振り抜くと、勝ち越しの一撃は左翼3階コンコースに飛び込んだ。推定飛距離130メートル。4年目で初の2桁10号は驚きの特大弾だった。

 「追い込まれていたので本塁打や長打は消しています。フライを上げないように、先頭打者だったので後ろの新井さんにつなごう…という意識。手応えはありました」

 猛牛軍団を奈落の底へ突き落とす3試合連続の決勝弾。鈴木が1歳だった96年、江藤が6月30日の巨人戦、7月2、3日の横浜戦(現DeNA)に記録して以来、広島の選手としては20年ぶりの快挙だ。中身も濃い。3試合すべて追い込まれ、不利なカウントからの一撃。出塁を意識する中で掛けたアーチこそ、豊かな才能の証明だった。

 3日連続のお立ち台で「最高で~す!」と3回繰り返し、おなじみになったフレーズを3日間で計16度、叫んだ。

 今を時めく二刀流の日本ハム・大谷と同学年。「雲の上の存在。交流戦で打撃を見せてもらい、スゴいと思った。追い付きたい」と真顔で言う。「確かに大谷はフリー(打撃)からスゴかったが、誠也もそん色ない。相手も注視していたと思うよ」。そう証言するのは東出打撃コーチだ。

 6月8日には、広い札幌ドームの右中間フェンスを直撃する二塁打。翌9日も、鈴木は2安打3打点と活躍した。指導者が自軍の選手を褒めるのは当然だが、3連発を見せつけられると「そん色ない」もうなずける。同コーチは「ヘッドの使い方がうまくなり、飛ばすコツをつかんだ」とし、夏場の量産を期待した。

 「誠也がまたデッカイ仕事をしてくれた。シーズンはちょうど半分。反省するところは反省し、(再開後の)リーグ戦をまたしっかり戦いたい」

 7年ぶりの勝ち越しどころか、過去最高勝率・647で鬼門の交流戦を終えた緒方監督は、気を引き締める。交流戦の打率・381はロッテ・デスパイネと並ぶ3位、本塁打を打ったら9戦全勝…と乗りに乗る誠也もまた言葉に力を込める。

 「まだ序盤の6月。これからが本当の勝負だと思います。調子を崩さないように頑張りたい」

 25年ぶりのリーグ制覇に向けて快進撃が続く赤ヘル。21歳。若きスラッガーの台頭が頼もしい。(江尾 卓也)

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2016年6月20日のニュース