阪神・能見 1球に泣く 香田コーチ「初回だけ悪かった」

[ 2016年5月9日 05:30 ]

<神・ヤ>初回1死一塁、山田に左越え2ランを打たれガックリの能見

セ・リーグ 阪神1―5ヤクルト

(5月8日 甲子園)
 振り返れば悔やまれる1球になった。初回1死から川端に中前打された直後、山田への初球が命運を分けた。原口が構えたミットを目がけて投げ込んだ阪神・能見の内角直球が左翼席へ打ち込まれた。

 「内角を攻めていったから開き直れる部分はある。いい打者だから」

 右打者への内角球は自らの生命線。勝負の結果に後悔はない。ただ、勝敗に直結した1球になったことも事実だった。初回に奪われた2点は以降も重くのしかかり、結果的に決勝点になった。

 2回以降は粘った。「開き直って四球も出したから。いい打線やね」。3回は1死二塁から山田への四球後、バレンティンを低めのスライダーで三ゴロ併殺に仕留めた。5回も1死から山田、バレンティンに連続四球を与えた後、畠山を遊ゴロ併殺に退けた。慎重に攻め、2~6回に4度も得点圏に走者を背負いながら追加点を許さなかった。

 前回1日のDeNA戦(甲子園)は6回6失点の乱調。1試合6失点は早くも今季2度目を数えた。髪の毛も短く刈り込み、汚名返上を期したマウンドで一定の役割は果たした。香田投手コーチも「初回だけ悪かった。その後は粘った。だから、初回がもったいなかった…」と立ち上がりを惜しみながらねぎらった。

 山田には救援陣も適時打を含む2安打され、5打席すべてで出塁を許した。今季の対戦カード別では28打数13安打、打率・464でセ5球団の中で阪神が最も打ち込まれている。被弾した最大の武器で次はどう雪辱を果たすのか。岩貞、横山ら若手左腕の台頭はあっても猛虎の躍進には能見の復調が欠かせない。  (山本 浩之)

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2016年5月9日のニュース