DeNA珍事!最下位なのに防御率リーグトップ 山口1失点完投

[ 2016年5月9日 05:55 ]

<広・D>声援にVサインで応える山口

セ・リーグ DeNA7―1広島

(5月8日 マツダ)
 119球を投げ抜いても、DeNA・山口は涼しい顔だった。

 「一人一人の打者にしっかり投げることを考えて投げた。打線が点を取ってくれて、投げやすい展開にしてくれたので、感謝したい」

 ポジティブ思考で壁を破った。初回に2安打で1失点するなど立ち上がりは逆球が目立ったが「気にし過ぎると違う感覚になるので、強いボールを投げようと思った」。入団以来、広島戦での先発は過去8戦で勝ちがなかったが「知っていた。気にしていなかった」。本来は3月25日の開幕戦(マツダ)のマウンドに立つ予定も右足首を痛めて回避した。「それは気にせずに。一日一日進んでいるので」と、自分の投球だけに集中した。

 ただ、完投にはこだわった。6回0/3114球で降板した1日の阪神戦(甲子園)後、ラミレス監督とある約束をしていた。

 ラミレス監督 君には9回を投げる能力がある。常に完投する意識を持ってほしい。
 山口 はい。150球くらいまでなら、いけます。

 7安打1失点で有言実行の今季初完投。今季2勝目に「7、8、9回にギアを上げられた」と胸を張った。

 母の日に勝利投手になるのは11年5月8日の阪神戦(ハードオフ新潟)以来2度目だった。スタンドでは母・啓子さん(63)が観戦。「嫁と嫁の母も来ていたので勝てて良かった」と試合後はウイニングボールを渡すために食事に行った。

 敵地での勝ち越しも、2カード連続勝ち越しも今季初めてだった。ラミレス監督は「多くのお母さんに勝利を届けられてうれしい。自分の母にも感謝したい」と、母の日の快勝にご満悦だった。 (川島 毅洋)

 ≪チーム防御率リーグトップ≫山口(D)が1失点完投で2勝目。自身の完投勝利は昨年4月25日の中日戦以来5度目になった。山口の好投でチームの防御率も前日7日の3.38から3.31まで良化。巨人の3.577を抑えリーグトップに浮上した。開幕直後を除き、DeNAが防御率1位になるのは横浜時代の05年4月28日以来で、この時は横浜が3.58で2位は阪神の3.68だった。

 ≪DeNA・山口から母・啓子さんへ≫ 実家には花を贈っていた。今日見に来るとは思っていなかったので、白星(のプレゼント)が先になっちゃいました。勝てて良かった。

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