体験してみた!マツダスタジアムのお化け屋敷…扉を開けると、そこは真っ暗闇だった

[ 2016年5月9日 08:20 ]

マツダスタジアムに開設するお化け屋敷「ざくろ女の家」イメージ図

 先日「お化け屋敷」なるものに行って来た。前回行ったのは記憶にないくらい遠い昔。四十数年前になるだろうか。子どものころから怖いものは苦手。自然に足は遠のき、何が面白いのかもわからないままだったが、遅まきながら理解できたような気がする。いい年こいて不思議なものだ。

 屋敷の扉を開けると、真っ暗闇だった。よくあるパターン。記者仲間と会話を交わしながら、薄明かりを頼りに手探りで前進する。ひんやりとした空気。絶妙の効果音が恐怖感を増幅させる。そろそろ出るころだ。そう思った途端、ウァーッという絶叫が響いた…。

 広島の本拠地マツダスタジアムで開催中の「ざくろ女の家」。球場のボールパーク化を目指す球団が野球観戦以外でも楽しんでもらおうと、今回は日本で唯一のお化け屋敷プロデューサー・五味弘文氏(58)とタッグを組んだ。斬新な企画と言っていいだろう。

 「お化け屋敷は、怖い感覚を通して“楽しい”を得る場所。怖がらせたい気持ちもあるが、楽しかったと思ってもらえるものをつくりたい」

 五味氏は言う。

 「今回は、ものスゴく怖いお化け屋敷をつくることができた。どうしようかと迷っている人は、一歩を踏み出すと、楽しい世界が待っている」

 暗闇からお化けが飛び出し、ワッと驚かせる。お化け屋敷はそんなイメージ。不意打ちの妙が怖さの由来であり、ビックリ感の方がむしろ強い。だが、同氏の作品はそんな概念にとどまらない。来場者を「ストーリー」に参加させ、ある「ミッション」を課す。従来のそれにはない特徴だ。

 任務を無事に遂行し、暗闇から明るい屋外に出ると、なぜか気持ちの高揚を感じた。おっさん仲間をいじる。「怖がり過ぎだ。いい年をして恥ずかしいぞ」。やっていることは子どものころと同じだ。「任務を果たせない時はどうなるんだ」。場面を思い出し、感想や考えをやりとりした。

 そうか、そういうことか。四十数年前には分からなかった、お化け屋敷の面白さとはこういうことか。震え上がる瞬間と、いつまでも続く余韻。それこそが、五味氏の言う楽しい世界ではないか。

 野球だけではないマツダスタジアム。期間は7月13日の巨人戦まで。場所は屋内練習場近くの球場3階オープンデッキ。開場は試合開催日に限られ、入場料金は500円(当日の入場券持参者のみ)。7月16日からは内容をグレードアップし、第2幕開催を予定する。これまた楽しみだ。(記者コラム・江尾 卓也)

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2016年5月9日のニュース