由伸巨人セ界貯金独り占め 立岡V撃!連夜の延長戦救った

[ 2016年4月2日 05:30 ]

<広・巨>10回2死二塁、立岡は適時三塁打を打つ

セ・リーグ 巨人6-4広島

(4月1日 マツダ)
 巨人は1日、広島と対戦し、延長10回2死二塁から立岡宗一郎外野手(25)が中越えに適時三塁打を放ち、勝ち越しに成功。4時間11分に及んだシーソーゲームを制した。前日のDeNA戦(横浜)に続く2試合連続の延長戦に再び勝って2連勝。5失策と守備が乱れても競り勝つ勝負強さ。首位を快走する高橋巨人は6勝1敗とし、セ・リーグの貯金を早くも独り占めした。

 中堅・丸のグラブから逃げるように、打球はグングン伸びた。呼応するように、立岡の足も加速する。今度こそ、試合を決める適時三塁打。誇らしげに両手を上げて三塁ベンチにガッツポーズ。ナインも一斉に返した。

 「あれこれ考えず、甘いところに来たらいこうと思っていた。自分のスイング、芯に当てることだけを考えていた」

 前日のDeNA戦(横浜)に続く延長戦の死闘。この日は立岡が立役者となった。10回2死二塁。今村の初球、外角低めの141キロ直球に対し一直線にバットを出した。キャンプ中から高橋監督が「打撃が安定している」と評価していた通り無駄のない理想的な軌道で打ち返した。

 同点の9回にもヒーローになりかけた。1死一、三塁でギャレットが一ゴロ(記録は野選)。ベンチのサインは「ゴロゴー」で、三塁走者の立岡は好スタートで生還した。今季から導入された本塁での危険な衝突を防ぐコリジョンルール。捕手は走路を防ぐことができないため「今年は内野ゴロで1点を取る場面が増える。良かった」と振り返る。しかし、その裏に追いつかれた。今後は自らのバットで決めた。

 昨年途中に中堅の定位置を奪取し、巨人では13年8月の村田以来となる月間40安打を記録した安打製造機。今キャンプでも首脳陣の構想では外野のレギュラー争いで頭一つ抜けた状態だった。プロ8年目で初めて開幕1軍入りし、期待に応えるように開幕から7試合連続安打。早くも2度目の猛打賞だが、支えるのはルーティンだ。

 本格的なティー打撃を始める前。両足を地面に固定し、体の前で「∞」の文字をバットで描く。そのまま右足を上げず、目の前に放られたボールを打つ。「体の軸がぶれないように軸を確認しているんです」。昨季トリプル3を達成したヤクルト・山田も取り入れている練習法だ。昨オフに体幹強化で3キロ増え81キロ。強じんになった体の軸を再確認することで、理想とする中堅方向への打球が生まれる。10回の決勝打がまさにそうだった。

 今季最多の15安打を放った一方で、5失策を記録した。それでも競り勝った高橋監督は「ミスは正直多くあった」と指摘しつつ「それで良いわけではないが、勝ったのは大きい。結果が全てですから」と前向きだ。「セ界」を独り占めする貯金5。「ビジターですが、3連勝できるように頑張ります」と立岡が宣言するように、高橋巨人が独走する。 (川手 達矢)

 ≪3カード連続白星発進 巨人新監督では初≫巨人の開幕からの星取りはヤ○○○、D○●○、広○と3カード連続白星発進。フランチャイズ制となった51年以降、巨人が開幕から3カード以上連続で初戦勝利は、14年の3カード以来13度目で、新監督では初めてだ。なお、4カードまで伸ばすと82年の4カード以来34年ぶりになる。

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