雨と寒さ響いた 能見を責められない…広澤克実の視点

[ 2016年4月2日 10:44 ]

<D・神>8回裏、突如降り出した雨の中、指を見つめる能見

セ・リーグ 阪神1-2DeNA

(4月1日 横浜)
 前日(3月31日)のヤクルト戦で3回、61球も投げている抑えのマテオが使えないことは、試合前から分かっていた。今回と同じ状況は、どこの球団にも、年に1、2回は起こる。阪神でも過去に、クローザーの呉昇桓(オスンファン)や藤川球児が使えない試合が年に何回かあった。

 このような状況では残りの救援陣と打線が奮起しなければいけないが、この試合のように影響をまともに受ける日もあれば、みんなでカバーできる日もある。打者も含めて、ベンチに入った救援陣がどういう準備をしていたのか分からないが、マテオを使えないことが全てに影響した。

 能見は責められない。寒かった上に、途中から雨が降ってきた。球数をも考慮すれば、体力と握力の低下は仕方のないことだった。歳内は岡崎が外角のボール球を要求しているのに、投げ損なった。“外角へ投げる”と強く思って投げたのかどうか。残念でならない。

 攻撃陣も1得点に終わった。5時間12分の激戦だった前日の疲れがあったのかもしれないが、1番の高山と2番の横田が1度も出塁できなかったのが響いた。2人は今年の阪神の顔だ。1、2番の出塁率が、阪神の得点力につながってくる。

 高山には“振る勇気”とともに“引く勇気”を身に付けてもらいたい。引く勇気とはバットを止める勇気である。積極的に行く姿勢は大事だが、“ここは自重すべき”という場面があることも、頭に入れておくべきだ。

 横田は、ヒットを欲しがらないこと、強くバットを振ること、この2点が大事になる。当てて、ボテボテのゴロを打つとヒットになる可能性があるので、走り打ち、すなわち“走りながら打つ”格好になっている。

 2人ともヒットや内野安打を打つのなら、今のバッティングでもいい。しかし、ソフトバンクの柳田やオリックスの糸井になれる素質を持っている。難しい選択だが、大きく育って欲しい。 (スポニチ本紙評論家)

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