星野監督辞任“戦場”離れ低迷しけじめ オーナー慰留も揺るがず

[ 2014年9月19日 05:30 ]

試合前、退任会見にのぞんだ星野監督は三木谷オーナーの言葉に感極まった表情

 さらば、闘将。楽天・星野仙一監督(67)が18日、成績不振の責任を取り、今季限りで辞任すると発表した。昨季、球団を創設9年目で初の日本一に導いた同監督は、今季は腰痛が悪化して5月26日から休養。体調面での不安を抱える中で7月25日から復帰したが、チーム状態は上がらず、首位から18・5ゲーム差の4位に低迷していた。2011年から楽天の監督を務め、今季が監督通算17シーズン目だった。次期監督は今季に監督代行として17試合で指揮を執った楽天・大久保博元2軍監督(47)の内部昇格が最有力視される。

 突然の辞任。ユニホームを脱ぐのは勝負師としてのけじめだった。ロッテ戦の試合開始1時間前、午後5時から仙台市内の球団事務所で行われた会見。星野監督は穏やかな表情で思いを語った。

 「直接の原因はやはり成績。この数字が許せない。しかも私は2カ月間も“戦場”から離れて、ファン、選手、球団に迷惑をかけた。やはり勝負師がシーズン途中で(チームを)離れるのはあってはならない。そういう思いで決意しました」

 11年から楽天監督に就任。同年3月に東日本大震災が発生するなど波瀾(はらん)万丈のスタートとなったが、就任3年目の昨季にエースの田中(現ヤンキース)を中心にチームをまとめ上げ、球団悲願のパ・リーグ制覇と日本一を成就させ、今年から新たに3年契約を結んでいた。

 だが、今季は開幕から低迷。指揮官自身も持病の腰痛が悪化し、5月26日から休養に入った。国指定の難病である胸椎黄色じん帯骨化症と腰椎椎間板ヘルニアの手術を受け、オールスター戦のパ・リーグの指揮も辞退。約2カ月の休養を経て、7月25日の日本ハム戦(コボスタ宮城)から再び指揮を執った。復帰当初は「絶対に立て直してやる。見とけよ」と話していたが、思うような結果を残せず「復帰してからも“こんなことではいけない”と思い、ひそかに(辞任を)決意していた」と振り返った。

 今月上旬に辞意を漏らし、三木谷オーナーや立花陽三球団社長らに翻意を求められた。だが「複数年契約でも一年一年が勝負」がモットーの星野監督の決意は揺るがなかった。数日前には周囲に「俺は現役時代からダメだったら常にけじめをつけてきた。だから今回もけじめをつけたい。こんな成績で“来年も監督をやります”とは言えない」と語っていた。急きょ、同オーナーとこの日に会談し、最終的に辞任の申し出が受理された。

 試合前のミーティングでナインに決断を伝えた星野監督は「去年は日本一でいい思いをさせてもらった」と感謝の思いも語り、「2カ月も離脱して申し訳なかった。全ての責任は途中でリタイアした俺にある」と言って頭を下げた。それでも最後には「俺はいつまでもうるさいじいさんでいるぞ。小うるさいぞ。覚悟しておけっ!」。ユニホームを脱いでも「闘将」でいることを宣言。早くも退任後の始動として、11月1日に岡山県倉敷市でスタートする秋季キャンプには視察に訪れる予定を立てている。

 残り16試合。わずかながらクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性も残る。勝負師として、最後まで諦めない姿勢でチームを率いる。

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2014年9月19日のニュース