星野チルドレン猛打で恩返し 銀次「監督には感謝しかない」

[ 2014年9月19日 05:30 ]

<楽・ロ>お立ち台でバーンする銀次、藤田

パ・リーグ 楽天9-5ロッテ

(9月18日 コボスタ宮城)
 寂しい。悲しい。悔しい。だけど、ひょっとしたら…。だから、銀次は必死に打った。自ら身を引く闘将へ「感謝」を込めて打ちまくった。

 「監督には感謝しかない。でも、心のどこかでまだやるんじゃないかなって。監督に“もう1年やるか”というのが出てくると信じている」

 突然の辞任を知らされたのは試合前のミーティング。重い空気がチームを覆った。「本当に残念です。僕ら選手の責任でもある」。選手会長の藤田は神妙だった。誰もが同じ気持ちの中で、銀次は前を向いた。星野監督に見いだされて主軸に成長した文字通りの星野チルドレン。「いっぱい怒られた。それでも僕を使ってくれた」。だから全力で応えたかった。

 3回に渋い右前打で2点差を追いつき、1点差の7回は走りに走って同点の内野安打。藤田が決勝打を放った8回にはダメ押しの二塁打で、3安打5打点だ。「渋い当たりだったでしょ?」。叩き込まれた泥臭さを存分に発揮した。闘将の厳しさと優しさ。銀次は肌で感じてきた。長男・虎次郎くんが生まれた昨年6月。「虎次郎君 大志をいだけ」と書かれたユニホームを贈られた。そんな監督と少しでも長く野球をやっていたい。

 「何が起きるか分からない」。打率・317はトップのオリックス・糸井に4厘差。チームは4位に浮上した。最後の最後の試合まで、銀次は打ち続ける。

 ▼松井稼(主将)正直びっくりした。星野監督は責任は自分だと言っていたけど、結果が出せなかったのは僕たちの責任。この4年間は自分としても勉強になったし、監督に出会えていい経験をさせてもらえた。

 ▼嶋 最後まで諦めないでやることが監督へ示すチームの姿勢。

 ▼島内(明大の後輩)プロである以上、こういうことはあると思う。もちろん寂しい。

 ▼則本 残り試合があるので一生懸命やるだけ。

 ▼松井裕 監督がいなかったら自分はここにいなかったかもしれない。残りの試合、監督のためにしっかりやっていきたい。

 ▼ジョーンズ 星野監督が決めた以上は(考えを)尊重する。野球人なら誰しも、その瞬間を迎える。監督はそれがきょうだったということ。今後の人生はゆっくりしてほしい。

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2014年9月19日のニュース