選手にハッパ「俺はいつまでも小うるさいじいさんでいるぞ」

[ 2014年9月19日 05:30 ]

試合前、時折、笑顔を見せながら退任会見にのぞんだ星野監督

星野監督辞任

 【星野監督と一問一答】

 ――辞任を決断した理由は。

 「直接の原因はやはり成績。しかも私は2カ月間も“戦場”から離れ、ファン、選手、球団に迷惑を掛けた。これが一番。オーナー、社長からはそんなこと言わずもう1年、何年でもいいからと諭されたが、やはり勝負師がシーズン途中で(チームを)離れるというのはあってはならない。そういう思いで決意した」

 ――いつ頃から退任を考えたのか。

 「入院して、こんなことではいけない。報道でファンから早く帰ってきてと聞いて、早く戻ろうとリハビリを積み重ねてきた。ただ、復帰してからも“こんなことではいけない”と思い、ひそかに(辞任を)決意していた」

 ――楽天での思い出は。

 「震災から始まって大変な1年目を迎え、焦りもあった。それから2年後、みんなが東北の人たちを勇気づけようと(いう気持ちが)体の芯から表れていた。私にとっても日本一。素晴らしいものをプレゼントしてくれた。楽天を引き受ける前、“そろそろ野球やりたいな”と思っていた頃、三木谷オーナーから“頼むよ。やってくれないか”と言われたときは大変うれしく、“よーし”と思った。周りからは“なんで、あんなチームに行くんだ”と言われたが、それが監督のロマンだと思った。ちょっと急ぎすぎた感もあったが、3年目でみんながファンと一緒に胴上げにさせてくれたことが一番の思い出。感謝しないといけない」

 ――ファンへは。

 「最近は“何やっているんだ、監督は”とのヤジも飛んでいる。いい雰囲気になっている。昔はミスした選手、KOされた投手にも拍手があった。スポーツを見る目、野球を見る目、勝負の目、少しずつ東北の人たちの目が厳しくなってきた。これは我々を向上させる。お客さんもたくさん入っているし、感謝するのは当然。ここまで選手を成長させてくれたのもファンの皆さんだと思う」

 ――3年契約の途中だったが。

 「会社からは複数年をもらったが、私は意識していない。勝負事は一年一年が勝負。選手もそう。監督、コーチも一年一年が勝負。昨年と比較すれば天と地の差がある。休んだことも含め、この数字を私自身が許せない。なぜ、この時期に発表するのと、ファンは不審に思うかもしれないが、球団のことを考えれば、来季のことを考えたら、この時期でないとスムーズにいかない」

 ――今後はどんなチームになってほしいか。

 「やはり闘争心を見せつけないとプロではない。選手にあいさつしたときも、俺はいつまでもうるさいじいさんでいるぞ!小うるさいぞ。ユニホームを脱いでもうるさい男でいるぞ。覚悟しておけよ!といった」

 ――やり残したことは。

 「いっぱいある。ミスの多いスポーツだから、ミスをなくすためにはどうすればいいのか。自分は今、何をやるべきか。そういうものをもっと浸透させたかった。それは次の人がいい味付けをしてくれると期待している」

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2014年9月19日のニュース