青木初満弾!移籍1年目の111試合目で飛び出した

[ 2014年8月7日 05:30 ]

<ダイヤモンドバックス・ロイヤルズ>5回、満塁本塁打を放ち、、ナインと喜ぶ青木(左から2人目)(AP)

インターリーグ ロイヤルズ12―2ダイヤモンドバックス

(8月5日 フェニックス)
 ロイヤルズの青木宣親外野手(32)が5日(日本時間6日)、ダイヤモンドバックス戦で今季1号、自身メジャー初となる満塁本塁打を放った。メジャー3年目で最も遅いチーム111試合(出場86試合)目での待望の一発。移籍1年目の今季は環境の変化に苦しんできたが、後半戦に入り、打撃の調子も上がってきた。チームは2連勝。85年以来のポストシーズンを狙うチームは、ワイルドカード争いで3位に浮上した。

 ダイヤモンドを一周してきた青木は本塁の手前で、少し恥ずかしそうに両手を上げた。「1号が本当に遅かったので、ホームランの感覚を忘れていた」。今季1号はグランドスラム。久々の感触が全身を駆け巡った。

 6点リードした5回2死満塁。この回2打席目で、代わったばかりのシュルツの初球、外角95マイル(約153キロ)を強振した。弾丸ライナーが右翼ポール際へ飛び込んだ。「初球から甘く来たらと思い、積極的にいった。ホームランを打つぐらいの気持ちで打席に入ったが、まさか本当になるとは」と目を丸くさせた。

 元来、ホームランバッターではないが、1年目から2桁となる10本塁打。昨季も8本打っていた。「やっぱり2桁は打ちたい」という青木にとって、1本打つまでにあまりに時間がかかった。

 2年間過ごしたブルワーズから、今季ロイヤルズへ移籍。「環境が変わり、苦労した」と正直な感想を漏らした。特に苦しんだのが花粉症。全米屈指の花粉飛散量で知られるミズーリ州カンザスシティーに本拠地が移り、鼻づまりや頭痛に悩まされた。「最初は風邪だと思っていた。でも全然治らなくて…」。わずか2時間足らずの睡眠が、3日間も続いたことも。カンザスシティーは穀倉地帯で、芝や雑草、土からも花粉症を発症する。チームに相談した結果判明し、注射治療を続けたが、開幕から2カ月以上も影響を引きずった。

 6月21日には左脚付け根を痛め、初の故障者リスト(DL)入りも経験した。ワールドシリーズを制した85年以来、29年ぶりのプレーオフ進出を目指すロ軍には、高い期待を持って迎えられた。6月には打率が2割5分台に低迷し「期待外れ」と地元メディアからの厳しいバッシングも続いた。それでも「結果が出なければ当然。逆に何かを見付けよう」と下を向くことだけはしなかった。

 ネド・ヨースト監督は「そろそろ打つんじゃないかと思っていた」と喜んだ。最近10試合中、8試合で安打を放っているが、青木本人にとってもまだ満足できる数字ではない。「きょうはもう一本ヒットが欲しかったな」。帰り支度をしながらつぶやいた。その表情は、日本で「安打製造機」と呼ばれたヒットマンの顔つきだった。

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2014年8月7日のニュース