エルドレッド深刻5タコ「積極的休養」の選択肢も

[ 2014年8月7日 08:15 ]

<中・広>9回1死二塁、エドレッドは空振り三振

セ・リーグ 広島2-3中日

(8月6日 ナゴヤD)
 不快指数だけが増した。広島は6安打ながら中日から10個の四球をもらい、毎回のように得点圏に走者を送ったが、得点はわずかに2。13残塁の拙攻で連夜の1点差負けを喫した。全体的に決定打を欠いた打線の中でも不動の4番、ブラッド・エルドレッド内野手(34)の状態が深刻さを極める。野村謙二郎監督(47)は主砲の復調のため「積極的休養」を命じる選択肢も示した。

 戦いの後に残ったのは残塁の山と、敗戦という結果だけだった。放った安打は6本ながら、相手から与えられた四球は10個。4、6回以外は全ての回で走者を得点圏まで進めた。だが本塁を踏んだ走者はわずかに2人。ソロ本塁打と押し出し四球によるものだった。

 「ゲームを支配できなかった」

 ため息交じりに絞り出した野村監督の言葉に、勝てる試合、いや勝つべき試合を落とした痛恨さがにじみ出た。

 全体的に決定打を欠いた赤ヘル打線。中でもブレーキとなったのが主砲と選手会長だった。エルドレッドは初回無死一、二塁と絶好の先制機で空振り三振。得点圏に走者を置いた場面で3度も打席に立ったが、1本が出なかった。梵も3、5回ともに1死満塁の場面で登場し、三ゴロ、遊ゴロ併殺打。E砲は「打てる球は多かったが、仕留めることができなかった」と首をひねった。勝負強さが持ち味の男も「結果として、こういう結果が出たのだし、僕の技術不足」と自分を責めた。

 不動の4番の低調さが深刻を極める。これまで打線をけん引してきたエルドレッドだが、ここ5試合で22打数1安打1打点。23年ぶりリーグ制覇を実現するためには本塁打、打点でリーグトップに立つ主砲の復調が絶対条件となる。

 野村監督は「勇気がいること」と前置きしながらも、大胆な案を示した。

 「休ませたり、気分転換が必要だということは頭の中にある」

 積極的休養を命じるのか。打順を下げ、プレッシャーから一時的に開放するのか。シーズン残り49試合。大きな決断の時がやってきた。

 首位・巨人とのゲーム差は3・5のままだが、4位・中日とは1差。Bクラスの足音も聞こえてきた。緒方野手総合コーチは語気を強める。

 「この雰囲気を打破する、“オレが”という打者が出てきてほしい。去年のCSの経験を今、生かさないといけない」

 目標はAクラスではなく優勝。赤ヘル戦士たちにとって、今がまさに正念場だ。

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2014年8月7日のニュース