かずさマジック山県 長嶋さんとトイレで遭遇 10年ぶり白星演出

[ 2013年7月15日 06:00 ]

<セガサミー・新日鉄住金かずさマジック>4回2死満塁、新日鉄住金かずさマジック・山県は先制の押し出し四球を選び小さくガッツポーズ

第84回都市対抗野球1回戦 新日鉄住金かずさマジック2―0セガサミー

(7月14日 東京ドーム)
 1回戦3試合が行われた。3年ぶり出場の新日鉄住金かずさマジック(君津市)は、山県(やまがた)有輔捕手(27)が決勝の押し出し四球を選び、リード面でも4投手による完封リレーを演出。セガサミー(東京都)を2―0で下して03年以来、10年ぶりに初戦を突破した。また、東邦ガス(名古屋市)とJR東日本(東京都)も2回戦に進出。15日も1回戦3試合が行われる。

 縁の下の力持ち的な存在。4投手を巧みにリードして今大会初の完封リレーを演出した山県は、謙虚に振り返った。

 「四球で走者をためるのが一番良くない。ストライクを先行させることを心掛けました。粘り強く投げてくれたし、投手さまさまです」

 4回2死一塁では二盗を阻止。9回はボールが先行する岡本に「お前の力のある球なら甘くても大丈夫」と声をかけて落ち着かせた。打撃でも4回2死満塁、フルカウントから2球ファウルで粘って押し出し四球を選んだ。これが決勝点となり、チームの10年ぶり初戦突破に貢献した。

 いわゆるひとつの「長嶋効果」だ。試合前。一塁ベンチ裏のトイレから出ると巨人の長嶋茂雄終身名誉監督と遭遇した。

 山県「あっ!こんにちは!!」

 長嶋氏「おおっ、頑張ってね」

 セガサミーの応援に訪れた長嶋氏だが、山県も激励されて気合が入っていたのだ。「びっくりした。凄い偶然。うれしいサプライズでした」。長嶋氏が持つ不思議なパワーの後押しを受けた。

 早実―早大では斎藤(日本ハム)の2年先輩。「向こうは大スター。もう僕のことは覚えてないんじゃないですか」と謙遜する。早大では細山田(DeNA)の控えで出番に恵まれなかったが、今はチームに欠かせない存在。11日には細山田らと都内で会食して闘志をかき立てた。

 「今年のチームは強い。この先も一つ一つしっかり戦いたい」。今度は自分が主役に躍り出る番だ。

 ◆山県 有輔(やまがた・ゆうすけ)1986年(昭61)5月31日、佐賀県生まれの27歳。小3で野球を始める。早実で本格的に捕手を始め、1年秋からレギュラーも甲子園出場なし。早大では3年春からベンチ入りし、リーグ戦10試合に出場した。09年からかずさマジックでプレー。家族は両親と姉。1メートル77、80キロ。右投げ右打ち。

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2013年7月15日のニュース