埼玉に野茂がいた！山村国際・菊地亮トルネードで１３Ｋ

トルネード投法の山村国際・菊地

埼玉大会２回戦 山村国際９―０桶川西

（7月14日 上尾市民）
　７回２死。最後の打者をこん身の直球で空振り三振に仕留めると、山村国際の２年生エース・菊地亮が、右拳を握りながら雄叫びを上げた。豪快なトルネード投法で７回３安打完封。最速１３０キロの直球主体に毎回の１３三振を奪い、創部４年目のチームに初勝利をもたらした。

　「今までで一番の投球。歴史を変えられる最高の投球ができました」

　初回。先頭打者にいきなり右前打を浴びた。味方の失策もあり打者走者が一気に本塁を狙ったが、本塁でアウト。「最初は緊張しましたが、このプレーで吹っ切れました」と続く２回からは別人のような投球を披露。死球を挟み６連続奪三振。２回以降はわずか１安打に封じた。

　トルネード投法といえば日米で活躍した野茂英雄氏を思い浮かべるが、菊地亮は「３年前に興南で春夏連覇を成し遂げた島袋洋奨投手（中大）のフォームを動画で見て参考にしています」という。昨年末からフォームを崩し悩んでいたが、伊藤コーチの勧めで５月にトルネードに変えた。「以前は荒れ球だったが、フォームを変えてから球の切れも増し、安定するようになった」と同コーチ。毎日シャドーピッチングと５０～８０球の投げ込みをノルマとし、理想のフォームに近づけた。

　埼玉のドクターＫの力投で初勝利をプレゼントされた大坂仁監督は「支えてくれた周りの人たちに感謝したい」と謙虚に語った。