菅野に20勝太鼓判!「19」の先輩・上原以来だ

[ 2013年3月24日 06:00 ]

<巨・楽>巨人先発の菅野

オープン戦 巨人6-2楽天

(3月23日 東京D)
 黄金ルーキーでまず1冠だ。巨人のドラフト1位・菅野智之投手(23=東海大)が23日、楽天戦に先発し、4回を2安打無失点。オープン戦2勝目を挙げ、チームに99年以来14年ぶりのオープン戦優勝をもたらした。99年は上原浩治投手(37=現レッドソックス)がプロ1年目で20勝を挙げ、新人王を獲得。元エースの背番号19を引き継いだ菅野も新人王を目指し、開幕2戦目の30日広島戦(東京ドーム)で公式戦デビューする。

 冷静に勝つ投球を思い描いた。初回1死一、三塁。菅野は、143キロの直球でジョーンズの内角を攻め込み、力のない遊直に打ち取った。

 「ゲッツーで終われば一番良かったけど、詰まらせて終われた」。メジャー434発を誇る主砲をほぼ狙い通りに仕留め、続くはメジャー61発のマギー。フォークを外角低めに沈め、空振り三振だ。「2アウトだったので、リスクが少ないのは三振」と完璧だった。

 開幕前の最終登板も完成度は高かった。初回を乗り越えると、2回以降は完全投球。「初回がポイントだったのかなと思う。あそこで点を取られてズルズルいくのか抑えるのか。調子は良くなかったけど、抑えられた」。4回を2安打無失点。11イニング連続無失点で2勝目を挙げ、チームに99年以来のオープン戦優勝をもたらした。

 99年。同じ背番号19を背負った上原は新人で20勝を挙げた。新人王、さらに沢村賞も獲得。その年、菅野は10歳だった。「僕の中で巨人の19番といえば上原さん。誰もが知っている偉大な投手。でも、いつかは“19番といったら菅野”だと思ってもらえるように」。メンバー発表の真っ最中だった試合直前、一塁側ファウルエリアで約80メートルの遠投。その姿は登板前日に遠投調整した上原と重なった。川口投手総合コーチはこう評価する。「成長というか、もう成長した選手。うまくいけば20勝できる」。巨人では99年の上原以来の大台さえ期待している。

 WBCでチームを離れていた阿部とは、実戦での初バッテリーを組んだ。2回先頭の松井。フルカウントまで8球のうち7球が直球で4球がファウルだった。「変化球ならすぐに空振りを取れたと思いますが、阿部さんが真っすぐでどこまでできるか、とリードしたと思います」。9球目のカットボールで中飛。阿部が求めた威力ある直球は、最速148キロを計測した。さらに初回、マギーの空振り三振を「(フォークの)サインとピタリと合った」と早くも息の合ったところを見せた。

 30日、同じ東京ドームの広島戦で公式戦デビュー。日本ハムのドラフト指名を断り、昨年1年間は浪人生活を送った。夢に描いた2年越しの晴れ舞台だが、菅野は言った。「マウンドに上がったら自分の役割を果たす。万全の状態にして迎えることが大事」。その言葉にはローテーション投手の風格すら漂っていた。

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2013年3月24日のニュース