侍対決はマー君の勝ち 坂本も阿部も三振斬り

[ 2013年3月24日 06:00 ]

<巨・楽>7回裏2死三塁で石井を三振に取った田中だがなぜか悔しさいっぱいに吠える

オープン戦 楽天2-6巨人

(3月23日 東京D)
 侍が侍を斬る。WBCの熱狂から時間は過ぎても、東京ドームは沸いた。5回から3番手で登板した楽天の田中は、1死無走者から坂本、阿部の3、4番コンビを迎えた。

 「一緒に約1カ月間やってきたので、当然意識した」。小学生時代に同級生だった坂本を追い込むと、宝刀スプリットで空振り三振を奪った。阿部も空振り三振。外角低めに147キロ直球が決まった。最初で最後のオープン戦は3回を2安打無失点。最速148キロを計測し、5三振を奪った。

 WBCは準決勝で敗退したため、決勝の先発登板も消滅した。「投げ足りない」と不完全燃焼に終わった一方で、手に入れたものもあった。「速いだけでは世界には通じない」と積極的に投げ始めたカーブだった。

 「以前に投げていたカーブより手応えを感じている。捕手に“緩急を使いたいのでカーブを投げたい”と言った」

 坂本には1、2球目に続けてカーブを投じた。6回2死二、三塁。橋本にファウルで4球粘られると、1球ボールを挟み、伊志嶺のサインに首を振って、113キロのカーブで空振りを奪った。

 「ピンチにカーブで三振を取るのは、相当勇気がいること。今までならスライダーかスプリットだが、せっかく良くなっているので投げないと意味がない」。7回には長野の初球に108キロのカーブを投じ、直球との最大球速差は40キロに達した。「僕のタイプでイメージできないと思う。カーブを意識 させれば他の球も生きる」。これまでカーブは見せ球だった。昨季は全投球の5%程度。この日は42球中4球と10%近くに割合が増えた。それ以上に重要な局面で投じる自信をつけた。

 WBCで一緒にエース格を担った広島の前田健に続き、開幕投手を回避。WBC球から統一球に戻った感覚を取り戻す時間を考慮されたもようで、田中も「滑ったりはしないけど、指先の違和感はある」と言った。今季初登板は、本拠地開幕となる4月2日のオリックス戦(Kスタ宮城)が有力。開幕投手ではなくても、楽天の絶対的なエースに変わりはない。

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2013年3月24日のニュース