10度目の正直!盛岡大付サヨナラで悲願の甲子園初勝利

[ 2013年3月24日 06:00 ]

<盛岡大付・安田学園>9回1死一・三塁、吉田の遊内野安打で三塁走者・斎藤がサヨナラの生還しガッツポーズ

第85回センバツ高校野球大会第2日 盛岡大付4-3安田学園

(3月23日 甲子園)
 1回戦1試合と2回戦3試合が行われた。第4試合では盛岡大付(岩手)が、安田学園(東京)に4―3で今大会初のサヨナラ勝ち。春夏合わせて10度目挑戦で悲願の甲子園初勝利を挙げた。史上初の21世紀枠同士の対戦となった第1試合は遠軽(北海道)が、いわき海星(福島)に3―0で勝利し2回戦に進出。7日目の第1試合で昨年春夏連覇を達成した大阪桐蔭と対戦する。

 春の嵐だ。長い呪縛から解き放たれ、希望の打球が三遊間へ飛ぶ。三塁から斎藤がサヨナラのホームへ。盛岡大付に歓喜の甲子園初勝利を呼んだのは、その名も吉田嵐(あらし)だった。

 「振り返ったらみんなが喜んでた。信じられなくてうれしかった」

 9回2死から追いつかれたその裏。1死一、三塁で打席が来た。関口清治監督から「外野フライを打ってこい」と送り出された吉田は、フルスイングを心に決めた。直球一本に絞って、打ったのは低めのカーブ。体勢を崩されても「気持ちがスイングに伝わった」。前進守備を敷いていた安田学園の遊撃手・小山拓がはじく。あとはただ全力で歓喜の輪へ加わった。

 盛岡大付にとって春夏通算10回目の出場にして初の初戦突破だ。「嵐のように舞い上がれ」という願いを込めて父・隆さん(47)から命名された吉田が、生涯初のサヨナラヒットで積年の悔しさを晴らした。盛岡大付の野球部だった兄・等さんが8連敗目を喫したのをアルプス席で見たのは3年前の春。でも「兄貴の分も」とは決して言わなかった。関口監督が「先輩の借りを返そう」という言葉を禁句にしたからだ。歴史をつくるのは自分たち。自分たちらしくプレーするためだ。

 強打のチームらしく、豪快な一発を放ったのは望月だ。8回に一度は勝ち越しとなる左越えソロ。「勝ててうれしい。もっと打ちたいですね」。昨夏の岩手大会決勝で花巻東・大谷(日本ハム)から2安打した打棒は、一冬越えて磨かれていた。同校初の夏春連続出場で、望月ら経験者が原動力となった。

 95年夏に選手として1敗目を喫した関口監督は言った。「感無量です。校歌をいい声で歌ってくれた」。堅い扉は開いた。春の嵐の後に響く校歌が心地よかった。

 ▼盛岡大付・三浦主将 先輩たちが苦しい戦いをしてきて僕たちの代で歴史を変えられた。監督と誓った校歌を歌い、いっぱい笑顔を見ることができて、うれしかった。

 ▼日本ハム・大谷 盛付は打撃がいいチーム。地元(岩手)だし、頑張ってほしいですね。望月君?ぼんやりとは覚えていますけど…。

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2013年3月24日のニュース