大阪桐蔭 藤浪温存で8強!沢田、2失点完投&V弾

[ 2012年8月19日 06:00 ]

<大阪桐蔭・済々黌>2失点完投と好投した大阪桐蔭・沢田

第94回全国高校野球選手権3回戦 大阪桐蔭6―2済々黌

(8月18日 甲子園)
 エース藤浪温存。史上7校目の春夏制覇を狙う大阪桐蔭のマウンドはプロ注目右腕ではなく、背番号10の沢田だった。

 「気持ちをボールに乗せて投げることが自分の持ち味です」。最速143キロを計測した直球とスライダーを軸に2失点完投し、誇らしげだった。

 この日朝に西谷浩一監督から先発を告げられた。藤浪には「きょうはオレが行くわ」と伝えてマウンドへ。低めを意識した投球で抑え込んだ。

 バットでも存在感を示した。大阪大会で打率・500を残した打棒を発揮し、4回1死無走者から左翼ポール際へ決勝ソロ。「カーブかなと狙って振ったら本塁打になった」と笑顔。次打者の森に笑顔で迎えられ「森の顔を見て“これは行くな”と思った」。予想通り、恋女房も右越えソロで続いた。バッテリーで史上2度目、9番と1番では史上初となる2者連続弾で、試合を決めた。

 えひめ西シニアではエースで4番として春夏の全国大会8強入り。「伊予の怪物」と呼ばれ、大阪桐蔭に入学。しかし、同学年に「怪物」がいた。藤浪だ。それでも大阪大会決勝では8失点降板したエースを好救援し、優勝に貢献。「藤浪という投手を目標に、僕はそれ以上の練習をしないといけない」と言った。

 今年1月26日、中学時代の監督・竹内茂夫さん(享年68)が死去。父の一道さん(45)が「息子の野球の原点をつくってくれた人」という恩師の死を受けて日帰りで松山市内で営まれた告別式に駆けつけ、冥福を祈った。この日の入魂のプレーは天まで届いたに違いない。

 ▼大阪桐蔭・藤浪 自分としては投げてもよかったですがコンディション的には楽になった。

 ◆沢田 圭佑(さわだ・けいすけ)1994年(平6)4月27日、愛媛県生まれの18歳。小学1年で野球を始め、愛媛・久谷中3年時に、えひめ西シニアで全国大会ベスト8。遠投は110メートル。好きな言葉は「執念」。1メートル78、85キロ。右投げ左打ち。

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