楽天 球団史上初の前半戦5割以上!首位ターンもあるぞ

[ 2012年7月16日 06:00 ]

<楽・日>6回1死満塁、中前適時打を打った一塁上の牧田に向かってベンチが一斉にバーンポーズ

パ・リーグ 楽天5-0日本ハム

(7月15日 Kスタ宮城)
 この勢い、本物なり――。楽天は15日、日本ハム戦で4番・枡田慎太郎内野手(25)が6回に4番として初の適時打をマークするなど2安打を放つ活躍。投打に圧倒して快勝した。これで前半戦残り3試合で貯金は3。球団創設8年目で初めて前半戦の5割以上でのターンを決めた。3位ながら首位・ロッテとも2・5ゲーム差。16日からの3連戦(QVCマリン)で3連勝すれば、前半戦を首位で折り返す夢のような展開になる。

 勝利のハイタッチにも自然と力が入った。選手たちの明るい声に、闘将の笑顔が交ざった。いよいよ上位を視界に捉える快勝。星野監督は「5割は、勝負の世界で生きているわれわれにはモチベーションになる。家庭でも同じように貯金があればニコニコしていられるでしょ」と、冗談を交えるほど上機嫌だった。

 前半戦最後のKスタ宮城。日曜ともあって2万99人の観衆が集まった。光ったのは3試合連続で4番で起用された枡田だ。初回に4番で初安打となる右前打。そして1点リードの6回1死二塁ではウルフの129キロのカーブを中前に運んだ。貴重な追加点。これが4番初適時打にもなり「きのうのチャンスは全部で凡退していたから意識した。仕事を果たせました」と笑顔で振り返った。

 チームが好調な要因は野手では星野監督が我慢強く起用してきた枡田、銀次、投手では美馬、釜田ら若手の台頭だ。今カードから4番に座った枡田こそが象徴的な存在。松井が故障で不在だった5月には遊撃守備で失策を連発したが、主に一塁での出場となった6月下旬からは持ち味である打撃に集中できている。

 大久保打撃コーチが「左打者なら広島の前田智、巨人の清水(現巨人2軍打撃コーチ)に匹敵する素材」と称賛するなど、首脳陣もほれ込む枡田の打撃技術。リストの強さもあって「詰まり」を恐れずに体の近くまでボールを呼び込むため、変化球にもタイミングを崩されることなくフルスイングできる。この日の適時打もカーブを引きつけて打ったもの。高卒7年目、25歳の若武者は「4番ではなく、4番目のバッターです」と謙遜しながらも「今は自分のタイミングで打てています」と充実の汗を拭った。

 エースの田中を除けばチームに全国区の選手はいない。そんな雑草軍団が一丸となり、貯金生活を送っている。これで2位・日本ハムに0・5ゲーム差に迫り、首位・ロッテにも2・5差。貯金を3とし、残り3試合で球団創設8年目で初の勝率5割以上での前半戦ターンも決めた。それでも指揮官は「あまり意識はしていない。一つ一つの積み重ねだから」とキリッと表情を引き締めた。

 16日からのロッテ3連戦(QVCマリン)で3連勝なら一気の首位ターンとなる。コツコツと、一つ一つの積み重ね。変わらぬ姿勢を残り67試合でも貫けば優勝だって夢ではない。

 ▼楽天・田淵ヘッドコーチ(枡田について)まだ4番ではなく4番目の打者だけど、出場していれば自信もついてくる。凡打でも内容がいい。

続きを表示

2012年7月16日のニュース