ダル またイチに…後半戦のエース格期待も背信7失点

[ 2012年7月16日 06:00 ]

<マリナーズ・レンジャーズ>初回無死満塁、ジェイソ(手前)に押し出し四球を与えるレンジャーズ・ダルビッシュ。二塁走者・イチロー(左)は三塁へ進む

ア・リーグ レンジャーズ0―7マリナーズ

(7月14日 シアトル)
 後半戦初戦は自己ワースト失点!レンジャーズのダルビッシュ有投手(25)が14日(日本時間15日)、マリナーズ戦に先発したが、初回にイチロー外野手(38)に右前打を浴びるなど4失点。中12日と間隔が空いたことも影響し、6回1/3を8安打7失点と崩れ、6敗目(10勝)を喫した。これでイチローとの対戦成績は11打数6安打となり、マ軍には3試合で防御率9・00。対戦が多い同地区相手の投球が新たな課題となる。

 初回で勝敗はほぼ決した。ダルビッシュは先頭アクリーを四球で歩かせると、2番のイチローに1ボールから93マイル(約150キロ)のツーシームを右前に運ばれ、無死一、三塁。その後は制球に苦しんだ前半戦の悪い時を見ているよう。死球に、押し出し四球。10年のサイ・ヤング賞右腕ヘルナンデス相手にあまりに重い4失点だった。

 「いい投手相手にいきなり4点はきつい。その後の気持ちの切り替えがあまりできなかった」

 2回以降はツーシームとカーブを軸に切り替えたが、4回にも1点を失い、5回は左のジェイソに外角直球を左中間に今季10本目の本塁打を浴びた。マ軍には初勝利を挙げたデビュー戦でも5失点と打ち込まれており、3試合1勝2敗で計17失点。苦手意識について聞かれると「別に嫌な感じはないけど、僕に対してのアプローチはいいな、と思った」と話した。

 出番がなかった球宴を挟んで中12日での登板。本人は「投げている感じでは変わりはなかった」と否定したが、登板間隔が空いたことは投球に微妙なズレを生じさせた。第1球から最速96マイル(約154キロ)と球威は十分だったが、ストライクが入らない。投球フォームは時には1球ごとに変わった。左足の上げ方を変えたり、上体の力を抜いた脱力フォーム…。2回に左すねに打球を受けながらも7回途中まで投げたが、自己ワーストの7失点、5四死球と最後まで修正できなかった。

 首脳陣は長丁場を見据え、前半戦最後にダルビッシュのローテーションを1回飛ばした。当初は、フリー打撃登板を予定していたが、球宴に選ばれたために見送り。この間、ブルペンで2度投球練習したが、日本では故障以外でこれだけ間隔が空いたことはない。少なからず実戦から遠ざかった影響はあった。

 ロン・ワシントン監督は「(マ軍には)本当のダルビッシュを見せていない」と強がったが、多くの試合数を残す同じ西地区相手では、アスレチックスにも防御率4・50と相性は悪い。後半戦はエース格として期待されるダルビッシュだけに、苦手意識は払しょくしなければならない。

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2012年7月16日のニュース