ルーキー岩本がV打 広島8年ぶり7連勝だ

[ 2009年6月3日 06:00 ]

<日・広>5回2死一塁、岩本が左中間に先制二塁打を放つ

 【広島2-1日本ハム】広島期待のルーキーがチームの連勝をつないだ。5回2死一塁。初球の高めの直球を振り抜いた岩本の打球は左中間フェンスを直撃。一走・嶋が一気に生還した。「興奮してます。打てて良かった…。大学の時とフォームが違って(ボールの出どころが)見づらかった。体を開かずに逆方向(レフト)を意識して打った」

 マウンド上にいたのは亜大時代の2年先輩にあたる日本ハム先発の糸数だった。しかも、チームはそこまでノーヒット。その中で値千金の一撃がプロ初打点となった。
 5月28日に出場選手登録され、以降は常にスタメン起用されたが、この試合前まで打率・100。2軍降格への瀬戸際での一打だった。次打者・石原の右前打では捕手のタッチをうまくかわして左手一本でベースを払う好走塁。ベンチは一気に活気付いた。
 先輩だけではない。後輩にも成長した姿を披露した。試合前のアップ中、岩本のもとに日本ハム・中田があいさつにやってきた。岩本が広島・鯉城シニアに所属していた当時、3歳下の中田は下部組織に入団。「大学時代に電話で話したことはあるけど、会うのは中学以来。あの頃から中田は凄く飛ばしてましたよ」と話したが、試合では先輩の貫禄を示した。
 8回にも中前打を放ち、チーム3安打のうちの2本を新人が記録。これでチームは8年ぶり7連勝で、勝率5割に復帰。勢いがあるからこそ、日替わりヒーローが生まれる。

 ◆岩本 貴裕(いわもと・たかひろ)1986年(昭61)4月18日、広島出身の23歳。小1から野球をはじめ、牛田中では投手兼外野手。広島商では4番エースで3年夏の甲子園大会に出場。高校通算52本塁打。亜大では1年から4番に座り、2年秋の明治神宮大会で優勝。東都大学リーグ歴代4位の通算16本塁打をマークした。08年7月の世界大学選手権に出場し、準優勝に貢献。同年ドラフト1位で広島に入団。1メートル82、90キロ。左投げ左打ち。血液型A。

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2009年6月3日のニュース