唐川 無傷3連勝!18日で新人王本命だ

[ 2008年5月14日 06:00 ]

<日・ロ>2レフトスタンドのファンの声援に笑顔で応える唐川

 【ロッテ8-2日本ハム】平成生まれの黄金ルーキーがまたしても快投を演じた。ロッテ・唐川侑己投手(18)は13日、日本ハム戦で8回を4安打2失点に抑え、3連勝を飾った。高校出新人のデビューから3戦全勝はドラフト制後3人目で、3試合とも先発勝利は87年近藤(中日)以来21年ぶり2人目の快挙。今季3勝は大場、久米(ともにソフトバンク)に並ぶ新人トップタイ。デビューからわずか18日で新人王候補の本命に躍り出た。

 また球史に名前を刻んでも、ベンチ裏の通路に現れた唐川はいつもと変わらなかった。2試合連続完投こそ逃したものの8回2失点で高校出新人では21年ぶりのデビュー3戦3勝。時折はにかみながら、さも当然とばかりに淡々と振り返った。

 「前の2試合に比べると調子は良くなかったです。腕だけで投げてる感じで、もう少し下半身を使いたかった。(3戦3勝は)特に意識してなかったけど、結果的に勝てたのはうれしいです」

 序盤は手探り状態。初めての東京ドーム、傾斜が急なマウンドに戸惑ったという。それでも4回までパーフェクト。5回、稲葉にプロ初被弾も、切り替えて後続を断った。7回、再び稲葉の打席。直球のサインに首を振り、本塁打されたチェンジアップで勝負する18歳とは思えない強心臓ぶり。結果的に二塁打されたが、バレンタイン監督も「印象的だった。すべての球に自信を持っている。そこに彼の凄さを見た」と目を細めた。

 本調子でなくても抜群の制球力が支えになる。3試合24イニングでわずか1四球。テンポのいい投球が攻撃のリズムも呼び、唐川の登板時は1試合平均8得点だ。ルーキートップの3勝目。初勝利は荻野、2勝目が吉鶴バッテリーコーチ、そしてこの日は指揮官の誕生日。お祝い好きの“バースデー・ボーイ”は「監督の誕生日だったし何としても勝ちたかった。そこを強調して(書いて)ください。次は誰の誕生日になるかな」とちゃめっ気たっぷりに笑った。

 新人王の本命に躍り出たが、目標の数字は挙げない。目標の選手もいない。ただ、あこがれのアスリートはいる。同じ10代で世界の頂点を極めたフィギュアスケートの浅田真央だ。「野球と違って完全に自分との戦い。(ゴルフの)石川君も凄いけど、日本中から注目されて結果を出し続ける真央ちゃんはやっぱり凄い」。重圧をはね返す精神力に共感し、対面を熱望しており、関係者は「新人王など活躍次第では」とオフに対談やCM共演などを検討している。

 次は交流戦“開幕投手”を務める20日巨人戦。初のデビュー先発4連勝がかかる一戦はテレビ東京が中継予定で、地上波デビュー戦となる。注目度は増すばかりだが、1球ごとの球場のどよめきも「気持ちいい。モチベーションが上がる」。自分との戦いに勝ち続ける“真央スタイル”で、唐川もマウンドで舞い続ける。

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2008年5月14日のニュース