【高校ラグビー】選抜初出場の創部100年の古豪・神戸は初戦敗退 終了間際のトライは「公立校の希望に」

[ 2026年3月25日 18:40 ]

全国高校選抜ラグビー大会1回戦   神戸5―76秋田工 ( 2026年3月25日    埼玉・熊谷ラグビー場 )

<秋田工・神戸>後半、トライを決める神戸・中川(中央)(撮影・吉田 剛)
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 創部100年を迎える神戸は、強豪・秋田工に12トライを奪われたが、終了間際の後半23分にFL中川徹平(3年)がトライを挙げ、選抜初出場で初トライを記録した。1926年に創部したラグビー部は、36年には全国大会で準優勝した古豪。有数の進学校でもある県立高校が、部史に新たな歴史を刻んだ。

 疲れ切った体で試合後のストレッチを行う選手の横で、埜田稜監督は「点差はついたけど、最後まで体を張ってプレーしてくれた。公立校の爪痕を残してくれた」と振り返った。5―76の完敗だったが、伝統の濃紺のジャージーに無数に残った芝草が、タックルし続けた試合を物語っていた。

 選抜の選考対象となる新人大会は、兵庫県で4強相当だった。A、Bの2ブロックのBブロックで準優勝したが、準決勝は引き分けの抽選勝ち、決勝は報徳学園に0―112の大敗だった。しかし、久しぶりのブロック決勝進出と、創部100年の節目が考慮され、実行委員会推薦枠で選抜大会の初出場が決まった。

 WTB後藤聡志主将(3年)は、まさかの選出に「恐怖を感じた」と言う。「サイズも経験も違う強豪校とまともに戦って、生きて帰れるのか、と思った」。怖さを振り払うために設定したテーマは「公立校の希望になる」だった。

 兵庫県は報徳学園と関西学院の私立2強の力が飛び抜けており、古豪の神戸も1981年を最後に全国大会に出場していない。「全国の代表に選ばれたのだから、体を張ることで頑張ろう」と鼓舞し合って、恐怖を乗り越えてきた。

 学校には「自重自治」(自らを重んじ、自らの責任で行動する)の伝統がある。選抜に向けたテーマだけでなく、選手全員で秋田工の分析もしてきた。強豪校に歯は立たなかったが、後半23分に努力が結実した。右中間ゴール前10メートルのPKからFWで縦を突き、中川が飛び込んだ。

 後藤主将は「ただ、うれしくて。FW対FWはサイズでは勝てないけど、メンタルでは負けないと言ってきた」。恐怖しかなかった選抜初出場が「一番、楽しかった。ここに来られてよかった」と言う喜びに変わった。

 部室の壁には、全面にOBが残していった落書きがある。そのOBたちは、創部100周年に加えて選抜出場が重なり、埜田監督は「さらに盛り上がって、物心両面で助けていただいている」と感謝する。

 後藤主将は秋の花園予選に向けて「(県の)ベスト4が目標。報徳学園と関西学院に勝つのは厳しい。でも、ここで全国を知ったことで、2、3年後には後輩がその2校と戦えるチームになってほしい」と話した。100年目の部室の壁に、新たな言葉が記されることだろう。

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