国内男子ゴルフ人気復活へ“救世主” 投資総額最大150億円 JGTOと日系ファンドが10年長期契約

[ 2026年3月18日 04:00 ]

08年、日本シリーズJTカップで大勢のギャラリーが見守る中、アプローチを放つ石川遼
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 国内男子ゴルフツアーに最大で150億円を投資するビッグプランが進んでいることが17日、分かった。ツアーを主管する日本ゴルフツアー機構(JGTO)と日系投資ファンドの日本産業推進機構(NSSK)が長期契約を結び、共同で新会社を設立。27年から億単位の巨費を投じ、ツアーの活性化と低迷が続く人気の復活を図る。NSSKは今秋、新規トーナメントも開催する方向で調整中で、26日に正式決定する見通しとなった。

 低迷する国内男子ゴルフに変革のチャンスが訪れた。JGTOとNSSKが設立する「株式会社Jツアー」に来年からJGTOが持つツアーの管理・運営に関する権利、業務などを移管する。関係者によれば初年度から20億円近くを投資し、これまでJGTOが資金不足でできなかったツアー活性化の施策を新たに打ち出していくという。

 その柱が地上波でのテレビ中継とネット配信だ。現在は大会によって対応が分かれているが、来季からは新会社がテレビ局の放送枠を確保し、全試合を中継する方向で調整している。またインターネットの配信権も併せて取得し、全試合の映像をライブで流す予定という。

(選手をサポート/) ツアー関係者はJGTOとNSSKがタッグを組む狙いについて「集まった資金をテレビやインターネット、ファンサービスだけではなく、選手のサポート費用などにも充ててトーナメントの魅力を高めていきたいということ」と話す。両団体は10年の長期契約を視野にツアーの立て直しに取り組む予定で、投資規模は総額で100億~150億円になるとみられている。

 関係者の一部には「投資に見合うリターンが期待できない場合、ファンドがどう動くか分からない」と不安視する声も出るが、一方でファンド主体の新たなビジネス形態に期待する見方もある。青木功、尾崎将司、中嶋常幸の「AON」が活躍した最盛期には、40以上あった試合数は現在22試合まで激減している。このまま手をこまねいていては、じり貧になるのは避けられない。ファンドと協力できれば、改革を一気に進められる可能性もあるだけに今後の成り行きに注目が集まる。

 ≪バブル崩壊後に試合数減少…若手海外“流出”で空洞化懸念も≫男子ツアーの試合数はゴルフ人気、国内の経済状況に応じて推移してきた。青木功、尾崎将司、中嶋常幸の「AON」が活躍した80~90年代はコンスタントに40試合以上開催されていたが、バブル崩壊後90年代半ば以降はスポンサーが撤退し徐々に減少した。

 石川遼が15歳でアマチュア優勝を飾り「ハニカミ王子」として社会現象となった07年以降は25試合前後に下げ止まり、13年に新人で賞金王に輝いた松山英樹の出現で人気再燃の期待が高まったものの、2人が米ツアーに主戦場を移したこともあり試合数が大幅に増えることはなかった。

 コロナ禍以降は前澤杯など新規大会も増えた一方フジサンケイ・クラシックなど伝統的な大会が消滅。年間30試合以上(今季は37試合)を開催している女子ツアーに水をあけられている。中島啓太、金谷拓実、平田憲聖ら国内で実績を残した若手が相次いで海外に渡り、今季は石川も米下部ツアーに参戦するなど“空洞化”も懸念されている。

 ≪事業承継、企業再生≫▼日本産業推進機構(NSSK) 米大手投資ファンド「TPGキャピタル」のOBが中心となり、2014年に設立した投資運営会社。本社は東京都港区。日本の中小企業を対象に経営支援と投資を行ってきた。事業承継や企業再生を得意とし、これまでに鴨川グランドホテルや室内遊園地事業のユーエスマートなどへの投資実績がある。

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